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3-1 絶望に差した光
次の日、学園に行った私は、
事務室に行って、退学届を出した、
事務の人は不思議そうにしていたが、大して理由も聞かず、
処理してくれてありがたかった。
書類を書いて、ほんの20分ほどで、
退学の手続きは終わった。
これからどうしよう。
母には、まだ何も言えていない。
シードラゴンが出たのよと興奮気味に話す母に、
体調が悪いと嘘を付き、回復魔法をかけてもらった。
訝しんだ母だが、泣きはらした目をした私に、
何も言わないでおいてくれた。
母には『賢者』を目指していた事は話していない、
『遊び人』の娘でほおっておいてくれた母だ、
あまり詮索はされないだろう。
無気力になった体を、何とか動かし、街へ出る。
自然と足が向かったのは、国で一番大きなギルドの横にある、
酒場だった。
ここは、一流の冒険者の集まりであり、
冒険者の仲間を募ったり、交流したり、冒険者憧れの店である。
私も高位結界魔法を身に付け、
ここで冒険者パーティに入るつもりだった、
しかも、初心者向けのパーティではなく、
聖者になれるレベル30を目指せる、上級のパーティにだ。