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王子から毒が抜けたのを確認した後、
『勇者』達から王宮へ行く事を勧められたが、
何とか断って、自宅に戻ってきた。
本当に大変だった。
沢山の人にもみくちゃにされそうな所、
『勇者』達の先導のおかげで、
自分ではとても乗った事のない高級な馬車に乗り、
あえて、自宅とは少し離れた所で降り、
そこから走るように帰ってきた。
まさかそこまで、祭り上げられるとは。
王子を救ったのだ、確かに感謝される事かもしれないが、
元々王子や『勇者』『賢者』が来てくれなければ、
シードラゴンに殺されていたのだ、
そう思うと、自分にできる事をしただけだと言う、
思いが強くある。
それに・・・
ベッドで上向きに寝そべりながら、
両手で顔を甲で覆う、
「これで、賢者は・・・」
そう、スキルポイントのほとんどを、
最高位解毒魔法に費やしてしまった。
一度取得したスキルは、もうスキルポイントには戻せない、
つまり、高位全体防御魔法の習得は絶望的で、
冒険者になる道は閉ざされたと言ってもいい。