20/125
2-15
天災と言われる、異次元のモンスター、
しかし、そのモンスターを倒してしまう、
王子や『勇者』や『賢者』
凄い・・・凄すぎる。
そうしていると、ふいに悪寒が襲った。
冒険者特有の危機能力!
「気を付けて!」
私は大声で叫ぶ。
その声に、『勇者』や周りの人、
皆の視線が集まる。
まだ、シードラゴンは死んでいない!
いきなり目を開けたシードラゴンが、
ぎょろりと王子を見る、
そして、口から緑の液体を吐き出した。
結界でほとんど防がれたが、一部弱まった所から、
毒が結界を通ってしまった!
王子や、『勇者』達に、緑の液体が向かっていく、
王子の足がピクリと動いた。
空中戦ができた王子なら、よけようと思えば、
よけれたはずだ、
しかし王子は、その場を動く事なく、もろにその液体を被る。
なぜ!と思ったが、同時に答えはすぐに出た、
王子が庇わなければ、『勇者』はもちろん、多くの人が、
シードラゴンの緑の液体を被っただろう、王子は盾となったのだ。