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空中で攻撃していた王子が、『勇者』達が来たのを見つけ、
急降下してくる。
「ガルファ、高位電撃魔法で一気にいくぞ」
「はい、王子」
4人の『勇者』と王子が、一気に魔法を唱える。
高位魔法特有の魔法陣が5つ、シードラゴンの頭上に現れる。
凄い、綺麗。
状況も忘れ見入ってしまう。
詠唱が終わると同時に、凄まじい音を立てて、
電撃がシードラゴンを襲う。
シードラゴンは大きな唸り声を上げて、
徐々に海へと沈み始めた。
「やりましたな」
ガルファと言われた男性が、満足そうに言う。
「『賢者』にシードラゴンを回収させる、
いい素材が取れるはずだ」
王子は、どこかそっけなく、当然のように発言する。
私は、雲の上の人達の会話に、
ぽーと耳を傾けていた。