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「私もそう思います」
その言葉に片眉だけを器用に上げて、大司教様が答える。
「ならば、逃げた方がいいのでは、
その制服からすれば、冒険者学園の生徒じゃろう」
「無駄です」
私のきっぱりとした言葉に、大司教様だけでなく、
周りの人も驚いているようだった。
「無駄とは?」
「もし、私の予感するモンスターが現れたら、
走って逃げた所で、攻撃に巻き込まれて、助からないって事です」
「君は・・・」
私は海を強く眺める。
予感は外れて欲しい。
しかし、波はどんどん間隔を縮め、波が高くなっていく。
多分、私の予感は当たるだろう。
「シードラゴンが来る」
「なんんじゃと?」
「シードラゴンです」