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そんなパーティの中、王子が途中で私を裏庭に連れ出した。
「大丈夫なのですか?」
「ああ、後は酔っ払いだけだ」
王子の声も弾み、上機嫌である。
最初に出会った頃を思うと、だいぶ表情が出てきたなと思う。
王宮の人達も、大分接しやすくなったようだ。
「びっくりしたよ」
「申し訳ありません、ギルドの人に秘密にと言われていて」
「そんな所だろうね」
風に王子の髪や揺れ、月が王子と私を包むように照らす。
王子は私の手を取り、ガゼボまで来ると片足を折り、跪いた。
「マリエッタ=ファリスレット嬢、私と結婚して下さい」
まさかの王子からのプロポーズ。
「だ、駄目です!」
王子は意外そうな表情をして立ち上がった。
「私の事は好きなのだろう?」
首を傾げる私に、
「グノワール卿に会いに行く時、好きだと言った」
と言われてはっとなる。