18-3
王様は信じられないとばかり目を見開き。
「王子の上級侍女のマリエッタ嬢かの~?」
と疑わしげに聞いてこられ、ギルドの人が驚きのあまり、
口が塞がらないようだった。
「はい、王様」
「あははは・・・・・いやー、素晴らしい!
マリエッタ嬢、美しく、気品溢れ、国の為に尽力してくれるとは!
誠に素晴らしい人物だ!」
王様が大きな声で話、大広間にざわめきが起こる、
「流石、エリトワールの女神!」
あああ~ この恥ずかし呼び名、王様まで伝わってたなんて~
それから、王子が私の前にやってきて、胸に手を添え、
正式なダンスの依頼をした。
「一緒に踊って頂けますか?マリエッタ嬢」
「よろこんで」
私と王子はホールの中央に出て、ダンスをど踊った。
う・・・相変わらず、ステップは間違うし、
無理矢理リフトが入る。
それでも、散々練習に付き合ってきた事もあって、
なんとか踊りきった。
踊り終わった時、会場中から、拍手喝采が起こる。
王子とまともに踊れるのは、まあ私だけなので、
これで会場中に、王子の上級侍女のマリエッタと同一人物だと、
広まったのだろう。
過去、隣国の王女を転ばした前科がある王子の成長ぶりに、
目頭を押さえる大臣もいた。