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大広間に入ると、ファンファーレが鳴り響き、私の到着を告げる。
大広間の人達は皆、私を遠巻きに見つめ、
珍動物にでもなったかのようだった。
これはけっこう堪えるかも・・・・
笑顔の裏の悪意、品定めと、足元をすくわれないよう、
張めぐらされる駆け引き。
王宮の人達は、私に感謝と敬意を表しつつ、
それはあくまで表で、裏で下に見られない気をはっている。
そんな雰囲気を感じながら、王の元に向かう。
王もどこか緊張して、気を張っているようだった。
「王様に申し上げます」
「許そう」
「はっ、今回、結界装置の強化に大きな功績を上げた、
マリエッタ=ファリスレット様でいらっしゃいます」
そうギルドの見栄えのいい男の人が、高らかに宣言する。
「ん・・・?マリエッタ?」
私は王様に微笑み返す。
隣に立っていた王子にも、同じく微笑みを見せた。