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しばらく海を見ていると、一度は収まったかと思えた波が、
定期的に大きく来る。
市を見ると、人は3分の1ぐらいに減ったが、
まだ多くの人がいた。
そうして、しばらく周りを見渡していると、
立派な白い口髭を生やした老人を見つけた。
「大司教様!」
私は大司教様の傍に行く。
ペコリと頭を下げる。
「いらっしゃったのですか?」
「ああ、どうも嫌な予感がしてなぁ」
立派なひげをさすりながら、大司教様が答える。
この一帯の教会のトップに立つ、大司教様、
その方の言葉に、やはりと思う。
「大司教様、王宮への報告は完了致しました」
教会付きだと思われる、剣士から大司教様が報告を受ける。
「王宮へ連絡されたのですか?」
「老人の思い込みならよいがの、どうもな」
普通、モンスターの討伐は冒険者ギルドに依頼される、
王宮まで依頼をすると言う事は、国の危機、
相当危険な状況だと判断されたと言う事だろう。