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17-1 貴族は大変です
ガルから剣の情報を得て8日後、
またお決まりの酒場の奥のカウンターで、ガルと会っていた。
「チャットで渡したいっていってたのこれよ」
ガルに古い布で包んだ剣を渡す。
ガルは
?
と言う顔をしていたが、布を少しめくって、中を覗き見して、
驚愕していた。
「どうやってこれを・・・・」
「まあ、いろいろツテがあるのよ」
ジャスティスをぐいっと飲みながら答える。
「あり得ねえ・・・・」
予想以上の驚きように、少し私が戸惑うぐらいだった。
「ま、何はともあれ、これで討伐できるでしょう?」
「ああ」
ガルはまだ放心しているようだった。
「金は?」
「まあ、高かったけどいいわ、ガルの討伐報酬もはいっているし」
「そうゆう訳にはいかない、後でギルドで振り込んでおく」
しかし、がんとして値段を言わない私に、
「じゃあ、適当に振り込んでおくからな」と言われた。
討伐するのはガル、その危険を思うと、本当にいいのに・・・
しかし、ガルに人生4回生きれる程金があり、使いきれないし、
貴族になると何かと金がかかると言われ、引き下がったのだった。