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後は魔法の付与ね。
次の日、付与してもらいたい剣を持って、
『魔法使い』がいる所に行く。
リタには不思議がられたが、笑顔で押し切った。
「この剣にこの魔法を付与して欲しいんだけど」
ガルから聞いて、メモった魔法が書かれている、紙を見せる。
「分かりました!お任せ下さい!!!」
え、いいの?
ガルからも、ギルドからも、魔法の付与はそう簡単にできないと
聞いていた。
そもそも、副ギルド長ですら用意できなかった、
魔法付与の剣なのだ、
それが、あっさり・・・
「えっと5日程待って頂けますか?」
「ええ、お願い」
5日もかかる所を見ると、大変な事なのだろう。
「えっと報酬は・・・」
「いいんです!”エリトワールの女神”から頂けません!」
下級侍女達の呼び方が、ここまで広がってしまっている・・・
「マリエッタ様の事です、国の為なのでしょう?
なら、協力するのは当然の事です」
そう言って、胸をはる『魔法使い』にそれ以上強引にも言えず、
魔法付与を任せたのだった。