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「短刀直入に言うわ、土に潜れない魔法を付与した剣と、
ユングラティア素材の剣が欲しいの」
それを聞いて、ディバインが驚いた顔をしたが、
すぐさま答えを返した。
「魔法を付与できる剣はご用意できますが、
魔法の付与はできません、
ユングラティア素材の剣はマリエッタ様が貴族になられたら、
お渡しできます」
流石、副ギルド長、正確な回答が返ってくる。
「貴族になられるなら、手続き致しますが」
「なれるの?」
「ガルの功績がありますからね、そのパーティである事を
考えると十分です」
あ、ガル、呼び捨て。
別にここにガルがいないからではないだろう、
むしろ、ガルに対する対応が普通、私への対応が丁寧すぎるのだ。
理由を聞いてみたい気もするが、今日はそんな話をするつもりで、
来た訳ではない。
「でわ、お願い、出来るだけ秘密で」
「分かりました、しかし、王宮へ王様にご挨拶にいかないといけないので、
いずれバレますが」
う、仕方ないと思いつつ、手続きを済ます。