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そんな生活を送っていると、あるモンスターの話で、
王宮はもちきりになっていた、
最初の王様との約束の通り、モンスターの情報は私の耳に入る。
「オリハルコンリザードね」
シードラゴンの急襲にあった港、その結界装置を更に強固にるす為、
研究が進められていたのだが、オリハルコンリザードがその素材に、
必要な事が分かったのだ。
何人かの勇者で挑んでみたが、オリハルコンリザードは
土属性のリザード。
『勇者』は雷系の魔法なので、土とは相性が悪く、
まず魔法は吸収され効かない。
その上、傷を負わせても、土に潜ってしまって、
とどめがさせないとあって、ギルド、王宮共にお手上げなのだった。
王子も一度挑んだものの、攻撃魔法は吸収され、
攻撃しても、土の中に潜られ、手出しができなかったのだ。
いつもの”もふもふタイム”もしょぼんとしている。
モンスターとは相性がある、
仕方がないとは言え、何も出来ない自分に、
王子は落ち込んでいるようだった。