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教会は外からの見た目通りこじんまりしており、
中にいるのは、司祭だけのようだった。
これはチャンスかも。
「今日は」
「やあ、人が来るとは珍しい、信心深くてけっこう」
ひょろりとした、司祭が告げる。
「転職したいのですが」
「転職か、ほうほう、で、何に転職するのだね?」
「『聖者』です」
そう言いながら、ステータスカードを見せる、
今回は怪しまれないよう、カードをあえて金にしておいた。
「金カード!!!」
司祭は、裏返したり、撫でたり、
そうしてしばらくステータスカードを見ていた。
「後、最高位回復呪文の習得をお願いします」
「はあああ!!!」
もう、言葉にはなってない声を上げていた。
この司祭、大丈夫なのだろうか?