15-1 いざ『聖者』へ
グノワール卿の子息を救ったその日の晩、
ガルがらチャットの許可が来た。
ガルは、新しく情報が入ったら、討伐にでかけ、
国中を旅しており、なかなか会えずにいた。
チャットの許可を出したらすぐ、ガルの叫び声が聞こえた。
『エテルナリザードを倒したぞ!』
『本当?』
どうやら、リザードの中でも、討伐が困難だと言われていた、
エテルナリザードを討伐し、興奮しているようだった。
『やはり音に弱かったな』
ガルはいろんな音が出るもの、爆竹から笛、クラッカーなど、
あらゆる道具を使い、翻弄して倒したようだ。
『あんたの情報のおかげだ』
そう言われると、嬉しくなる、
『あいつは経験値がでかい、もうレベル30になったんじゃないか?』
そう言われて、ステータスカードを召喚する。
確認してみると、30の数字が表示されていた。
『凄い、レベル30になってる!』
『これで『聖者』になれるな』
胸がじーんとする、あれ程憧れた夢が、もうすぐそこなのだ。
『お礼はちゃんとするから』
『礼なんていいよ』
最高位回復魔法をかける約束を、忘れてしまっているガルに、
らしいなと思いながら、ちゃんと最高位回復魔法を習得し、
ガルにかけようと、うきうきしながらチャットを切った。