1-1 私『聖者』になります!
エリトワール王国
その王国で一番名誉ある、冒険者育成機関、
王立第一冒険者養成学園。
その学園の一番奥まった場所で、眼鏡をかけた30代前半に見える、
迫力ある美女がくいっと眼鏡のフレームを上げる。
オークの森で採れた、最高級品の机と椅子。
しかし長年使い込まれすぎていて、味が出るを通り越し、
オンボロになっている。
その椅子に浅く腰掛け、色気たっぷりの女性が話かける。
「前代未聞ですよ、マリエッタさん」
「えへへ・・・そうですよねー」
この美女は学園長のリンダ、
見た目こそ30代だが、実年齢は48歳、
ナイスバディと相まって、魔性の学園長と呼ばれている。
そのリンダがキランと眼鏡を光らせ、私をガンを飛ばして
見つめる、しかし、私はその視線も軽く流した。
「まさか、この学園から『遊び人』が出るとはね」
「すみませ~ん」
「本当に分かっているのですか?卒業まであと3か月、
身に付けたのは低位の全体回復魔法のみ、
このままでは、とても冒険者としてやっていけませんよ」
「う~ん」
「それでも、貴方の事を教師も始め、他の生徒達も、
誰も無下にする事はありませんでした、
それは、魔導書の取得など、一面において、
誰よりも優秀だと皆が知っていたからです、
だからこそ、もったいなさすぎます、『遊び人』で終わってしまうなんて」