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【ゴブリン】
冒険者およびギルド職員が野生のゴブリンを見つけた場合、駆除もしくはギルドへの報告が義務付けられています。冒険者またはギルド職員でなくても同様の事が推奨されています。
【概要】
ゴブリンは、ゴブリン属の人型モンスターの総称です。肌が赤く額に硬いツノを持っている特徴があります。
群れを作る傾向にあり、ゴブリンキングの率いる群れはゴブリンコロニー(後述)と呼ばれ、国家・ギルド規模で対処すべきモンスター災害と位置づけられています。
【歴史】
ゴブリンは、今からおよそ100万年前の先人類滅亡から2万年前のオパビニア魔法文明誕生まで、いわゆる暗黒時代の間に発生したダークモンスター群に属し、7万年前のアノマロカリス洞窟壁画にゴブリンと人間が争う様子が描かれています。
【個体】
成体は、150〜200cm,60〜120kgです。雄雌の個体差は小さく、生殖器や乳房以外にはほとんど見られません。ゴブリンコロニー(後述)を形成するゴブリンキング(♀の場合もキングと呼称されます)の場合は180〜230cm,80〜140kgです。
また硬い1本の角、髪がない代わりに硬い額、赤い肌、筋肉質な身体が特徴的です。
モンスターの多くに見られる傾向として世代交代サイクルが短いですが、ゴブリンは人型モンスターの中では群を抜いて短く、4年で生殖可能になり、記録されている最長寿命は27年です。妊娠期間は8ヶ月で一度に6匹前後の子を産み、その歪なまでの繁殖力から母体が出産時に死亡する事も少なくないと考えられています。
雑食性です。
低いですが知能や文化を持っています。
【ゴブリンコロニー】
群れの規模がおよそ100匹を超えると一回り大きいゴブリンキングと呼ばれる個体が産まれ、それが確認された時点でその群れはゴブリンコロニーと呼ばれ、国家やギルドあるいはその連合軍が対処します。
ゴブリンコロニーは、ゆるい結合を合わせれば最大で1万人規模にまで膨れ上がります。また分業が進み組織が効率化されます。
またゴブリンキングは世代を追うごとに知能が高くなり、3世代目で優秀な人間相応になります。
ゴブリンコロニーの多くは一般的なゴブリンですが、1/100でオーガと呼ばれる異常に大柄な個体、1/50で魔法を使用する個体(そのさらに1/50はB級冒険者相当の魔法を使えます)が存在しています。
歴史上最大のゴブリンコロニーは6500年前から6200年前に存在したゴブリン王国で、ハルキゲニア帝国崩壊後の混乱の中、大都市フォテスの跡に作られました。
【利用】
労働力として利用するとゴブリンコロニーを形成する可能性があるため、実習や実験での利用に留まっています。またゴブリンの群れを観察することでその地域の情報がある程度分かるので、指標として用いられます。
人為的にゴブリンコロニーを作らせて戦局を有利に進める試みは、記録されている中では成功していません。
【習性】
ゴブリンは、木から服、網、槍のつか、紐、弓、弓矢、棍棒など、石から槍の穂先、鏃、棍棒などを作ります。
その生活は、ゴブリンコロニーを除き長期的には定住せず、狼や鶏、オークなどを家畜とします。
家は木の棒で柱を建てて毛革、木の皮、木の葉、粘土などその場にあるもので壁や屋根を作るのが一般的です。しかし既にあるものを利用する場合もあり、冒険者や猟師の拠点、洞窟、難破船を住処にしたケースも確認されています。
狩りも行い、ゴブリンコロニーの場合も基本は2〜5匹で獲物を借ります。奇襲や引き撃ちを行い、特に弓で包囲して常に射程外から獲物を疲弊させる戦術は、『ゴブリンダンス』として熟練の冒険者からも恐れられています。
現在までに宗教などは確認されていません。
【冒険者にとって】
冒険者にとって、ゴブリンというのは基本的に安定して討伐・換金できるローリスクローリターンの獲物であり、D級(駆け出し)冒険者の通過儀礼と認識する人もいます。
また入手しやすい実験体としても使用されています。