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俺が最強になるまでの物語  作者: アルトラ
少年期
27/37

魔力視

 宿に帰るとリナがいた。

「ただいま、リナ」

「おかえり」

 俺たちは夕飯を食べながら話をすることにする。

「この二日間リナは何してたの?」

「依頼」

「そっか。どれぐらい稼げた?」

「大銅貨二枚」

「ゴブリンを倒してた俺より多いんだけど...」

「ゴブリン討伐は報酬が低い」

「道理で周りに人がいなかったわけだ。それで、なにしたの?」

「教えない」

「教えてくれてもいいじゃないか...まぁいいか。それでその大銅貨二枚で何をするの?」

「内緒」

「ふ~ん、それじゃ俺も話そうと思ってたこと内緒にしようかな。リナがあんなに知りたがってたことなのにな~」

「大丈夫」

「まぁ関係なく話すんだけどさ。今日、初めて攻撃魔法を使ったんだよね」

 周りは酒盛りをしていて俺たちの会話は聞こえていないはずだ。

「ほんと?」

「本当だよ。ゴブリンを百匹ぐらい殺してきたところさ」

「教えて」

「内緒にしようかな~」

「いじわる」

 リナが睨んでくる。普段無表情の女の子が睨んでくると変なものに目覚めそうだ。

「冗談だよ。教えるよ。明日暇?」

「暇にする」

「やることがあるんだったら別の日でもいいよ。攻撃魔法を教えるだけだし。他の魔法はリナなら暴発せずにできると思うしね」

「分かった」

「じゃあまず最初の魔法は、魔力を見るものね。これは俺も初めてだから一緒にやろう」

「初めて?」

「ああ初めてさ。攻撃魔法も一発で出来たんだからこの魔法も出来ると思うんだ」

「天才」

 リナが恨めしそうな雰囲気を出してくる。

「リナには言われたくないけどね。じゃいくよ。人の力の源を見る目を我に『魔力視』」

 見ている世界が変わった。人の中に炎みたいな何かがあり、これが魔力なのだと直感的にわかった。リナの炎は周りの奴らの数十倍あってキャンプファイヤーみたいだった。

「リナもやってみて。俺はできたから」

「分かった。人の原初の火を見る目を我に『魔力視』」

「どう?見えた?」

「見えない」

「うーんと、多分だけど重要なのは人の魔力をどう見たいかだよ。俺は炎をイメージしたけどリナは水をイメージしたほうが良いかもしれないし、本をイメージしたほうが良いかもしれない。そのためには詠唱を変えたっていいと思うんだ。自分がイメージしやすい自分だけの詠唱を作るんだ」

「分かった」

 リナはしばらく考え込んだ。

「やる。人の力の根源を見せよ『魔力視』」

 リナはあたりを見回して小さく微笑んだ。その顔はとても綺麗で見惚れてしまった。

「見えた」

「そう。俺の魔力は周りの人と比べてどれくらい?」

「うーん、数百倍?」

「やった!!これで人よりも魔力を持っていることが分かった!ずっと心配だったんだよね。もしかしたら人並みの魔力しか持ってないんじゃないかって」

「そんなことない」

「ありがとう。次は魔力視をどうやったらごまかせるかだね」

「え?」

「魔力視を使える人がいるかもしれない...というか絶対いるからそれの対策だね」

「分かった」

「あと純粋な魔力を出したらどうなるかも試したいし、魔石には魔力があるのかも調べたいし、人によって魔力の質が違うのかもしらべたいし、あとは....」

「ストップ」

 リナが顔をつねって来た。

「いたっ」

「落ち着いて」

「そうだね、ありがとう。落ち着いたよ。いろいろ試すのは後回しにして、まずはリナが攻撃魔法を覚えるところからだよね」

「お願い」

「任されました。都合がついたらいつでも言ってね」

「分かった」

「そろそろ寝ようか」

「うん」

 会話を終えた俺たちは雑魚寝部屋に帰ったのだった。

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