冒険者ギルド
「まず冒険者ギルドに行こうか」
「どこ?」
あっ!しまった!守衛さんに道を聞くのを忘れてしまった。もう夕方だからか出歩いている人はいないしどうしようか....まぁ、何とかなるだろ!
「この道をまっすぐ行けば領主の館みたいなあの大きな屋敷に行きつくから、とりあえずそこまでいってみよう。そしたら門番がいるはずだからその人に聞けばいいよ」
「分かった」
街の中は石造りの家が道の両脇にあり中世のヨーロッパみたいだった。道も石畳で舗装されておりとても歩きやすかった。
「周りを見ながら歩こうか。冒険者ギルドが見つかるかもしれないし、今日の宿も探さないといけないしね」
「分かった」
俺たちは周りを見て歩くと冒険者ギルドと書かれた看板を見つけることができた。
「あったよ!冒険者ギルドだ。早速中に入ろうか」
「うん」
どんな人たちがいるんだろうか。強面でスキンヘッドでムキムキの人とか美人な受付嬢とかいないだろうか。The・冒険者みたいな人たちがいたらいいのになぁ。テンプレの新人いびりとかあったらいいなぁ!
俺たちが中に入ると、今日の冒険が終わり打ち上げで酒を飲んでいるであろう人たちから視線を向けられた。酒を飲んではいるがこっちに注目しているようだ。俺はこれがラノベで出てくるあの視線なのかと感動した。
それにしても静かだな。もっとドンちゃん騒いで言い争いや喧嘩が絶えないものかと思っていた。
視線を受けながら俺たちは受付と書かれた看板がぶら下がっているところに向かった。
「ご依頼ですか?」
受付嬢であろう人が要件を訪ねてくる。美人だ。こんなに怪しい格好をしているのに笑顔を崩さないのはさすがだな。
「冒険者になりに来ました」
「失礼ですがお歳はおいくつですか?」
「八歳です」
「なら大丈夫ですね。この紙に必要事項を書いてください。文字は書けますか?」
「大丈夫です。偽名でもいいんですか?」
「はい、大丈夫ですよ」
紙を渡されたので一枚をリナに渡す。きっとあの紙がここでも使われているのだろう。
えーっと、必要事項は使える武器と名前と歳か。名前はさっき使った偽名で使える武器は短剣と長剣、歳は八歳っと。偽名を使うのはリナと前々から考えていたもので、本名と近いのは焦って本名を言ってしまっても聞き間違えで済むかもしれないからだ。
「これでいいですか?」
「はい。大丈夫です。少しここでお待ちくださいね。冒険者カードを持ってきますから」
「はい」
うおおおぉぉぉ!!これで俺も冒険者か!ああ冒険者になったら何しようかなぁ。やっぱり魔物討伐からかなぁ、それとも雑用から始めようかなぁ。まぁこの辺は先輩たちからの話を聞いてからだな。そんなことを考えていると受付嬢が戻ってきた。
「はい。これがあなたたちの冒険者カードです。ここに血を垂らして頂けますか?」
「血を垂らすのには何か意味があるんですか?」
「本人専用にするためと歳を偽ってないか確認するためです」
「歳を偽るとダメなんですか?」
「依頼の中には年齢を指定するものもありますから」
「そうなんですね」
「年齢は偽ってないようですね。大丈夫ですね」
そう言って受付嬢はカードを渡してくれた。少し重たいカードは金属か何かで出来ているようだった。
「これは何で出来ているんですか?」
「魔法金属だといわれていますね。材料はギルドの上層部しか知らないんですよ」
「これにも魔法が使われているんですか!魔法というのは便利ですね」
「八歳ということはまだ学園に通ってないのね。魔法を使えると世界が変わりますよ」
「早く使えるようになりたいものです」
「お二人はこの後時間はありますか?」
「何かあるんですか?」
「冒険者ひいてはギルドについては説明をしようと思うのですが....」
「すみません。まだ今日泊まる宿も決めていない状態でして....」
「そうですか。では、明日三つ目の鐘が鳴るころにまた来てください」
この街では時間を知らせる鐘が鳴るのか。これも魔法を使っているのかな。
「鐘ですか?」
「失礼ですが、お二人はどこから来られたのですか?」
「村の名前は分かりませんが、山の麓にある小さな村です」
「それなら知らないのも仕方ありませんね。この国では主要な町に鐘が設置してあります。鐘がなるのは六時、十二時、十八時の三回です」
「分かりました。訪ねたいことがあるのですがおすすめの宿屋はありますか」
「そうですね....ギルドをでて右に曲がっていったところにある猫亭というところが、安くて駆け出しの方にはおすすめですよ」
「ありがとうございます!ああ、あと魔石の換金はできますか?」
「もちろんできますよ」
「これをお願いします」
そう言って渡した魔石は二十五個で銅貨二枚と小銅貨九枚になった。




