初めての戦い
七歳になった。この二年間はもっぱら剣の鍛錬に費やしてきた。リナは父さんと一対一でも打ち合えるようになったし、俺もまぁまぁ戦えるようになってきた。父さんにブランクがあるとはいえ冒険者やってた人と、二年で撃ち合えるリナは異常じゃないだろうか?それに身体強化を使っていないから力の差はあるはずなのにどうやっているんだろうか。まぁ、そこそこついていけてる俺にも才能があるんじゃなかろうか。
前に剣を弾き飛ばされたとき、素手で向かっていったら父さんに
「素手でもなかなかやるじゃないか」
と言われたので剣が弾き飛ばされたら素手で稽古を続行することになった。このおかげで剣と素手の戦い方の基本的な立ち回りも分かった。
身体強化で拳を強化しても剣と打ち合うのはさすがに危ないと思う。拳に魔法をまとわせるとかできるんだろうか。炎の拳とか雷の拳とかかっこいいよなぁ。でも現実的には鉄の拳とかだよなぁ。鉄の拳だと重くて殴れないかもしれない。軽くてかたい物....ステンレスか!?まぁでも基本は剣も魔法も使えないときに拳で戦うから、考えてもあまり意味ないと思う。
「二人とも七歳になったということで野営の練習をする。明後日から二日間村の外で野営をする」
「「はい!」」
「準備するものは親が用意しているので各自バッグに詰めて集まるように!」
「「はい!」」
「外で野営をするということは魔物が出て来るということだ。つまり武器がいる。よって二人に鉄の短剣をやろう。この辺に強い魔物は出ないから短剣で大丈夫だろう」
「よっしゃあ!」
「やった!」
初めての武器だ。テンションあがってくるぜぇ!この世界にも刀とかあるんだろうか?俺は作り方が分からないから転生者たちが広めてるといいな。
「それと研ぎ石をやるから手入れは自分でするように!」
「「はい!」」
「それにしても父さん鉄の短剣なんて高かったんじゃないの?」
「この二つは俺が冒険者をやっていた時に使っていたものだ。この村に来るとき防具と武器は持ってきておいたんだ。大切にするんだぞ」
「「はい!」」
「おはようリナ。今日は楽しみだね!」
「うん、楽しみ」
「しっかりと準備はしてきたか」
「「はい!」」
「村の外では獣や魔物が出て来る。一瞬たりとも気を抜く暇はないぞ。覚悟はできたか」
「もちろん」
「当たり前」
「そうか。なら出発するぞ!目的地は村から数刻ほど歩いたところにある森だ」
「「はい!」」
俺たちは重たいバッグを背負って村から出発したのだった。
俺たちが村を出発してから一刻ほど過ぎていた。これまでにあったのは小動物くらいで蛇などの食料になりそうなものは血抜きをしておいた。
「父さん、この辺ではどんな魔物が出るの?」
「そうだな、ゴブリンとビッグボアが主だな。森の中ではもっとたくさんの魔物が出で来るぞ」
「ゴブリンとビッグボアだとどっちが強いの?」
「ビッグボアだな。ゴブリンは大人一人いると楽に勝てるがビッグボアは二人はいないと勝てん。最も魔法が使えない場合だがな」
「大人二人もいない」
「心配するな。二人とも普通の大人以上の強さはあるし俺は魔法が使えるからな」
「良かった~安心したよ。冒険者になったとき弱すぎたらどうしようって不安だったんだよ」
「二人ともそこいらの冒険者よりも強いぞ」
「父さんにそう言ってもらえて安心したよ。ありがとう」
「安心した」
「さて二人とも私語はそのくらいにしろ。何かいるぞ!」
「「はい!」」
俺たちは意識を切り替えていつ戦闘が起きてもいいように臨戦態勢をとった。俺たちの目に映ったのは猪だった。
「俺がターゲットをもらうから二人は横から切りつけろ。短剣だから間合いには気をつけろよ!」
「「はい!」」
「いくぞ!」
父さんがそう言ってターゲット取りに行った。俺たちは右と左に分かれて隙を伺いながら切りつけていった。そうやって何分たっただろうか。まだ二分くらいなのかもしれないが俺にはとても長く感じていた。でも辛くはなく俺はとても高揚していた。初めての命を懸けた戦いに俺は興奮していたのだ。手加減が存在しない命のやり取りだ。できればこの時間がもっと続いてほしいと願っていたが、この時間はすぐに終わった。
「二人とも初戦でこのくらいできれば十分だ。俺がとどめを刺すから見ていろ!」
「「はい!」」
「わが剣に鋭さを『シャープネス』」
父さんは冒険者時代に主に使っていたという鉄の長剣で猪の首を切った。その切り口はとても綺麗で使い古された鉄の長剣で切ったとは思えなかった。
「父さん!今のも魔法?」
「切れ味が鋭すぎる」
リナも興味を持っていた。
「そうだ。今のも魔法の一種だ。お前たちも学園に行ったら教えてもらうだろう」
「ますます学園に行くのが楽しみになって来たね。リナ」
「うん」
俺たちの初戦は新しい魔法を見て終わった。




