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手始めのとき

時は流れ、3年後。


ついに殿下の15歳の誕生日パーティーがやってきた。


「ソフィーお嬢様、本気ですか……?」

「本気の本気よ」


大きくため息をついたジェシーが、しょうがないですねという表情で私の選んだドレスに手をかける。


記憶の中の私は、パーティーの服も装飾品もすべて城のメイドたち任せだった。


私の趣味ではない宝石がギラギラついたいかにも高そうなドレスをいつも身に着けて、

顔は濃いメイクで覆われ、もはや普段の私の面影はなくなるのだった。


正直濃いメイクも似合うには似合うのだが、もともとのふんわりとしたソフィーの顔は面影もなくなり、いかにもカネをにおわせるドレスで、陰でなんと言われているかわからなかった。


「メイクもベースだけでいいわ。あとは自分でやるから」

「ダメですと言ってもご自分でされるんでしょう?」

「よくわかっているじゃない。ジェシーにはいつも感謝しているわ」

「頑固なお嬢様にはかないませんよ」


もともとの頑固な性格と、この3年間自由に動き回った成果もあって、私が言い出したらやめないということはこの家の中での常識になっていた。


「でもこのしっそ……いえ、シンプルなドレスに、シンプルなメイクでしたら、せっかくのお嬢様の美しさが目立たなくなってしまうのではないですか?」


「大丈夫。むしろ今まで派手にやりすぎてたのよ。ちょっと見ていて」


殿下のパーティには、パステルグリーンの柔らかでシンプルなドレスを選んだ。


今はプリンセスラインが主流のはずだが、選んだのはスレンダーラインのちょっと落ち着いた型だ。実際にソフィーが着てみると、3年間ですらっと背が伸びた体形にぴったりだった。

ドレスには煌びやかな装飾はなにもついていないので、以前お母様からいただいたピンクゴールドのネックレスを準備しておいた。繊細な模様と小さな宝石が美しく散りばめられ、シンプルなドレスを洗練された美しさに引き立てるデザインだ。


「お嬢様、ベースのメイクは終わりましたが」

「ありがとう。下がっていいわ」


ベースのメイクが終わると、いつもであればそれから何度もファンデーションを上に重ねて、唇には真っ赤なリップをのせられるのだがお断りした。


目の上に少しだけラメを載せて、唇には淡いピンクのリップをそっと塗る。


「はい、完成」

「あれ?お嬢様……いつにもまして美しいですわ!」

「本当ですね!どいういうことでしょう?まるで天使のような無垢で尊い美しさですわ...!たったこれだけのメイクですのに!」


「ふふっこれで十分でしょ?あのお父様とお母様の娘ですもの」


自分で言うのもあれだが、顔立ちは悪くない方だと自負しているので、素材のよさを生かして少し飾るだけで十分ではないかと思っていた。

まあみんなの反応からしてそんなに悪くはなさそうね。


以前の化粧に比べて派手ではないし、これくらいならパーティで悪目立ちせずに過ごせでしょう。


鏡にむかって満足気にニコリと微笑んだ。




☆一部文章を修正しました!全体を読んでやっと文章の歪さに気づきます...

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