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安静のとき5


「……そうか」


(わ、笑った……?)


顔を緩ませたクロームは一瞬笑ったようにも見えたが、すぐいつもの無表情に戻っていた。


「それから、君に毒を盛った犯人について調べているが、まだ真相はわかってはいない。ただし……貴族派には十分注意するように。危険なので私が遠征で不在にする間、夜会への参加はするな。あと、君を脅した男の話は他言無用だ。アマなんとかというのも忘れろ」


「は、はい」


淡々と告げられる内容は、注意というより命令に近い。


「あと」

「まだ何か?!」


じっと私を見つめた後、私にくるりと背を向けて彼はつぶやいた。


「君は……美しく、なくはない」

「へ?」

「話は以上だ」


ドアを開けて颯爽と出ていった。


なんだったの。というか、あの人最後なんて言った?


美しく、なくはない?


どっちよ!


一人になった部屋でヒイヒイ言っていると、部屋に入ってきたジェシーが心配そうな表情でつぶやいた。


「薬の後遺症かしら……お嬢様、気をたしかに」


翌日。


カンデス領についた私は、当分の間森への外出が禁止され、泣く泣く家の中で大人しく過ごすことになった。



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