お茶会4
「今日は誰と話をした?」
護衛の騎士達も下がらせて、やっとクロームが口を開いたかと思えば、今日のお茶会の話だった。
なに?まさか私に友人がいないことを心配してくれているの?
「タラン家のご令嬢とお話ししましたわ」
「タラン家?……ああ、王党派の侯爵家だな。ほかには?」
「他は……特にお話しした方はいらっしゃいません。ご存知ないと思いますが、私、社交界にはあまり顔を出しませんので、知り合いが少ないのです」
「嘘をついてもいいことはないぞ。正直に答えろ」
突然声色が変わり、思わず肩がビクッと震えた。
どうやら私の友人関係を危惧しているわけではないらしい。
嘘ではないことを慎重に伝えようと、口を開いた時だった。
「っ!」
「動くな」
後ろから手首を掴まれ、両腕を上に縛りあげられた。
首には鋭い剣の先が添えられている。
クロームが瞬時に剣を構えた。
「何者だ!」
「ははっ何者かと聞かれて答えるやつがいるか」
突然背後から突如現れ、ソフィーを拘束した男は、王宮の騎士のような恰好をしていた。
「あんたに用事があったんだが、ちょうどいい女がいて助かった」
「っ!」
刃の面が皮膚に食い込むのがわり、首筋がヒヤリとした。
「何が狙いだ」
「欲しいのは“アマランサスの涙”さ」
「アマ……?なんだそれは」
「嘘をつくな!この女がどうなってもいいのか?」
「うっ!」
掴まれていた手首をぎりぎりと締め上げる。
「はっ笑わせるな。その女が私を脅す道具になるとでも?」
クロームの冷気が増してきた。
「ソフィー嬢。この男と知り合いか?」
「……は?」
「その女が殺されたところで私はどうもしない。アマなんとかというのも知らん。殺したければ殺せばいいだろう」
「お、おまえの女じゃないのか?油断させようとしても無駄だ!早く答えろ!」
「くだらん。そんな女どうでもいい。好きにすればいい」
あーーそうですかそうですか。
黙って捕まっていれば、それがあなたの本音ですか。
「……ははっ」
「!何を笑っている、女!」
「殿下が私を全く信頼していないことはわかりました」
「当然だ。信頼できる要素がない」
クロームの凍てつくような視線には、そろそろ慣れてきた。




