ヅラを 背負った 男
かなり 笑える はなしです
はい 私は 東京 大手町の 大手商社に 勤める
サラリーマン 温水 不佐夫です
地方から 出て来て 一流の大学を 卒業後
一流の 企業に 勤めて 20年 結婚もして 子供も
2人授かり タワーマンションを 購入
まぁ 自分で言うのも 気がひけるが
これまでの 経歴は 完璧だ もし この国で
国民を 勝者と 敗者に 分けたと したら
私は 間違いなく 勝者の側 だろう
だけど 私には 誰にも 言えない秘密を 一つ
抱えていた その秘密は 絶対誰にも 言えない
もし 他人に 秘密が ばれると 私の 今まで
積み重ねてきた 物が 崩壊 家庭も 崩壊
私が 今までに 手に入れた物 全てを 失う可能性も
ある 超極秘事案だ
そして 私は いつもその極秘事項を 他人に
暴かれる 危険を 感じながら 生活を している
特に 危険なのは 一緒に いる時間の 長い会社の
同僚だった 特に 何事も見逃さない
関西から 転勤してきた
眼の 鋭い 山本は 危険だ
俺は あいつの前では いつも ヒヤヒヤだ
あいつの 視界から 逃れた時 俺はいつも ホットしてる
気のせいか いつも あいつの目線は
俺の目線より 少し 上だった
あいつは たまに 俺に 話しかけてくる
そのとき いつも 何か 言いたそうな
感じで 薄笑いだ
くそっ いっその事 俺は ズラだ 怒鳴って
あいつの 顔面に ズラを 投げつけようか とも思う
しかし それは 絶対 やめた方がいい ね
次の日 ヅラで 行ったら どうなる ?
ヅラを 取って行っても どうなる
考えるだけで 怖いね
やっぱり 耐える しかないんだね
いっその事 あいつと 仲良くするか
そっちの 方が 絶対 得策だろう
よし 今度 あいつが 近くに きた時 飲みに でも
誘うか それが いいな
さて 仕事も 終わったし 帰りに 軽く
一杯飲んで 帰るか
あんまり 飲みすぎるのは 良くないな
ズラの ズレに 気づかなくなるからな
「酒は 飲んでも ズラはズラすな」
絶対的教訓だな
さて いつもの 居酒屋で こじんまりと
いきますか
そこは 良くある チェーン展開の 居酒屋だった
サラリーマンの 聖地だな
どうせ飲むんだったら 頭の禿げてる奴の
近くが いいな 軽く周りを 見渡すと
ハゲ野郎三人組が いた
私は 気づかれないよう彼らに 接近
私は なんて話しかけるか 少し考えてみた
こういうのは どうだ 「君達は 頭が 禿げてるのに 何故 ズラを かぶらないんだ ?」
よし 彼達に 聞いてみよう と思ったけど やめた
たぶん めんどくさい事が 起こる可能性も あるので
あいつらに 話しかけるのは 今日はやめだ
とりあえず のんで 帰るか
いや〜 飲んだ後 電車に揺らされると気持ちいいね
ほんで ついつい うたた寝 してしまうよ
だけど 寝てても ズラのズレに だけは 気をつけろよ
いつかは 目が覚めた時 ズラが膝の上に あったからな
一瞬 頭が肌色に なったよ
とんでも ないはなしだ
まぁ いいや
さて 今日も 1日終わり ました お疲れ様です
あくる日
おはよう
美しい 嫁 かわいい娘
やっぱり 俺は 勝者だな この家庭を 絶対
手放しては いけない
朝 起きると 毎日 その事を 再確認する
そして 俺自身も この家庭に 相応しい 主人で
いなければ いけない 当然 頭が 禿げてる なんて
絶対 許さない事なのだけど 俺の頭は 髪が
お亡くなりになって しまった だけど 大丈夫
上手く ごまかしたから
いつまでも フサフサだ あと109年後も
全然 大丈夫だ
しかし いつか ばれるかも しれない
家族との 時間も短めにして まぁ 会社を
定年退職すれば 禿げても 大丈夫だろう
会社を 辞めた 翌日に 会社を やめたら
頭が 禿げたよ と告白すればいい
それまでは ズラで 頑張る ぞ
さて 今日も ズラ位置の最終確認が 終わったら
出勤だ
「行ってきまーす」
今日も 出勤ラッシュの満員電車
とにかく 満員電車に 揺られても ズラはずらすなよ
俺は いつも満員の 電車の中で 仲間を 探してる
そう簡単には いない
だけど 俺は 他の人よりは 鋭い勘を 持っていた
あれっ 斜め前に いる若造は なんとなく 匂うな
うっすらと 違和感を感じる だけど
世の中には ヅラっぽい 頭だけど 全然 普通の地毛
の奴が 結構 いる
俺の目指すところは そこだ と思った時期も
あった だけど 俺達 本物の ヅラリストは
ヅラっぽい だけで その時点で 俺達は 本物の
ヅラだから アウトなんだ
疑われた時点で 既に アウトだ
だから くれぐれも 注意を 怠る事なく 行動していかなくては いけないのだ
不佐夫は 出勤電車の中 とても心地よい気分に
襲われ 不覚にも うたたね してしまった
その時 不佐夫は いつもの 夢を 見た
真っ青な海 白い砂浜が 目の前に 広がって
焼け付くような 強い日差しが 自分の身体を
突き刺す 不佐夫は 真っ直ぐ 海の方え 走り出す
そして 何を 思ったか 頭の上の ヅラを取り
そして そのヅラを 天高く 放り投げてしまった
そして 不佐夫は 言った 「ヅラ君 今まで ありがとう
これからは ヅラ君の力を 借りずに 生きていくよ」
不佐夫は むき出しの 頭に 風を感じながら 海へ
と 走って行った
第1章 終わり
どうでしたか




