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醜い世界

※性的描写が含まれます 週2更新


少年が世界を変えるために世界や自分について知っていく物語です。


3作品目です。どーぞ!

ここ、〖デウン王国〗は商業で栄える街である。

街の通りでは多くの店が立ち並び今日も賑わっている。


「おっ! お客さん! 今日はこれが安いよ! 」


派手な装飾のされた鎧を着て腰には立派な一本の剣を持っている騎士、見るからに裕福な家柄の人であろうその人に店主は目の色を変えて声をかける。


「南の国、サウラ国から直接取り寄せた貴重な果物ですぜ! 」


サウラ国、それはデウン王国を中心として南に位置する砂漠地帯にある国である。周囲が砂漠だということもありあまり栄えてはいないがかつて、北にある〖ノアル国〗東の〖エデン大国〗の大戦に介入し鎮めたことから〈軍事力のある国〉としての印象が強い。


「それは珍しいですね。ですが今は急いでいるのですみません、また機会があればお伺いします」


騎士が丁寧な口調で店主に断りを入れる。


「そうですかい、お待ちしておりますんで是非! 」


そう言われた騎士はスタスタと歩いていく。


………右手に鎖をぶら下げながら。

鎖の先に目を移せば15歳くらいだろうか、少年が鉄製の頑丈そうな首輪を付けられている。両手には合わせて20キロはあるだろう布製の袋を持っている。服を着てはいなく、やせ細っている。


「あまりノロノロあるかないでおくれ。奴隷」


先程、店主と会話していた時のような丁寧な態度ではない、威圧的な口調で鎖を引く。


この世界では全ての国、小国でさえも奴隷制をとっていた。

奴隷になる人間は大きく分けて3つ。



金がなくなり借金返済もできなくなってしまった人間が返済相手に身体を売られる。(この世界では借金をして一定の期間で返せなかった場合、返済相手の所有物となってしまう)


金がなくなった大人が自分の子供を売り、子供が奴隷となる。


この世界で忌み嫌われ恐れられている種族、〖ファルマ族〗



一つ目、二つ目は商業国が多いこの世界では金がないものはどうしてもそういった弱い地位につかされてしまっていた。


三つ目、これは圧倒的な力、武力を持っているファルマ族という種族がいる。外見的には人間とほぼかわらないのだが人間は自分より強い力があれば恐れからそれを支配しようとしてしまうところがある。圧倒的な数がいる人間にどうすることも出来ず支配下に入っていた。



「さ。ついたついた」


騎士が他に比べて大きめな店の前で呟く。

騎士はさきほどの路地から少しそれて薄暗い裏路地へと入っていた。


「美しい剣を携えた方だとおもったらルイマー家の方でしたか!」


店の中から手をゴマすりするようにしながら綺麗に整えられたヒゲが特徴的な小太りした男が出てくる。


「オーナー、お久しぶりです」


騎士は先程、店主と話したような口調で男に話しかける。


「ほんとお久しぶりですな。今回は奴隷の購入ですかね?要望はなんでしょう?」


「そーですね。要望は若い女がいいですね。」


「なるほどなるほど、18くらいの女でしたら最近なかなかいいのが入りましたよ」


「値段はなんぼでも構いませんのでそれをください」


騎士が値段も聞かずにその奴隷を買うと言い出す。


「いいんですかい確認もせずに?」


「あなたにはいつもお世話になってますからね。信頼はありますよ」


「へっへっ、ありがてぃことですな」


男は気味の悪い笑みを浮かべながら店の中に入って行く。


少しして戻ってきた男の手には鎖が握られその先には裸の一人の女がいた。


「こいつでさ、種族は人間ですし顔もなかなか騎士様好みなのではないでしょうかね。そしてもちろん、処女ですぜ」


「さすがだねオーナー、よくわかってるよ。これで足りるかな?」


男から説明を受けた騎士は満足そうな笑みで男に何かが限界まで詰まっているだろう小袋を渡す。


「こんなにいいんですかい騎士様?」


小袋の中身は何枚もの金貨だった。それを見た男が騎士に聞く。


「日頃の礼だ、今度来た時にでも割引きしてくれればそれでいいさ」


「感謝しまさ、またのご来店お待ちしておりますよ」


男は袋を大事そうに抱えながら騎士が歩いていくのを見送った。



「いやー! 今日はいい買い物が出来たよ」


女を買った騎士はそのまま自分の住んでいる豪邸まで戻ってきていた。


「あれ。兄様、また奴隷買ってきたの?」


「あぁ、いいものが買えたよ。レイマ、しばらく私の部屋には入らないよう頼むよ?」


騎士、〘ルイマー・レル・シファ〙は弟の〖レイマ〗に念を押し、自分の部屋へと入っていく。


「あの女の子可愛かったなぁ。でもま、もうどーしょうもないか。」


レイマは呟いた。



「さぁさ、君はこっちに入りたまえ」


シファの部屋、奴隷の少年は檻に入れられていた。


「君はこっちだ、きなさい」


シファは少年を檻に入れたあとに女の鎖を引っ張り天上からぶら下がるもう一つの鎖に繋いだ。女は終始何をされるのか解らず震えている。


「さーてどーしようかな?前回のは結構長く使えたからよかったけど今回のはどーだろう」


シファが女の身体を舐め回すように見ながら考え始める。


「こんなのはどうだろう?」


そう言ってシファが取り出したものを見て女は震えがいっそう増した。手に持っていたのは拷問道具として知られる〖苦悩の梨〗というものだった。本来は猿ぐつわのように利用されるものなのだが人間の残虐性は膣に入れるなどという方法を作り出してしまっていた。


「でも流石に処女は僕が直々に欲しいね。とりあえずじゃあこれにしよう」


シファは注射針のようなものを取り出すとその中に瓶に入っていた薬のようなものを入れ、女に刺した。

10分くらいだろうか、そのくらい経ったあたりで女から力が抜けていく。

20分で自力では立てなくなっていた。

30分で全身の力がぬけて息も荒くなっている。

40分で頬を紅く染めて意識が朦朧としてきているだろうか。

50分で下腹部の下のあたりの絨毯がシミをつくる。

1時間、もはや女は理性などなくしていた。恥も何もなくひたすら自慰にふけっている。


この間、シファはひたすらその光景をなにもせずに見続けるだけだった。



(何度見た光景だろう)


檻に入れられた憐れな少年は思う。


最初は女たちががそのような姿になるたびに叫びもしたが今はもはやそのような気も起きない。


「こんなに狂っちゃってなぁ」


シファのこんな言葉にも腹など立たない。


「そろそろもっとキツい刺激が欲しくなってきたかな?」


こんな言葉にだって何も思わない。


「さぁそろそろ頂こうか」


ズボンを下ろしはじめるシファを見ても何も思わない。


聞き取れない声を発しながらシファに擦り寄っていく女を見ても心の中は常に無であった。このような日々に無にするしかなかったとも言える。


(ずっとこのまま。何も変わらない、変えられない。)


少年の目がさらに虚ろになっていく。

目の前で興奮する猿のようになっているシファなど目に入らない。快楽に溺れる憐れな女など目に入らない。

〖諦め〗が心を支配した。







ご覧いただきありがとうございます!


想像しながら書くと少し興奮してしまうあたりがちょっとヤバい


週2で更新です。よければこれからもご覧ください!

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