表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

すけすけ眼鏡3

その身体は小学生というか幼稚園児のように見え肌が白く同世代の子供より痩せているように見え胸はなさそうだ。

思わず鼻で笑ってしまうといきなりエルヴァがコシミズを睨むと体が浮かび上がった。

「まってくれ、エルヴァ誤解している、なぁアオキ?」

言いながら首を捻りアオキを見るとアオキはベタに鼻血を出して笑っていた。

「お前・・・」

「いや、違うんだ、聞いてくれ、ユウさんのは見てないただ位置的にエルヴァの体が見えてしまっただけだ、何の興味もない、事故なんだ!!」

叫んだ瞬間アオキは壁まで飛んで行き背中を打ち付けると床に倒れた。

「うぇ~」

アオキから言葉にならない悲鳴が聞こえるとコシミズの掛けているすけすけ眼鏡が宙に浮かんでユウとエルヴァに向かって飛んでいくのでコシミズは必死に否定した。

「違う、事故なんだって俺達がそんなガキみたいなことするはず無いだろ?」

「うそつきなさい、私に向かってひらめいたって言ったじゃないですか、さすが悪の秘密結社だけありますよ」

遠くからブサイクなぬいぐるみの声が聞こえてきた。

「うるさい!、次は確実に解体してやる」

言っている間にユウが宙に浮いていたコシミズのすけすけ眼鏡を掴んで不思議そうに見回した。

「ユウさん、それはまだ実験中で危ないから大人しく返してください、ねぇ?」

コシミズが優しくいうとユウが困った顔をしてエルヴァを一瞬見てからコシミズをまっすぐ見て聞いてきた。

「コシミズさん、本当の事言ってます?」

(そんな真剣な目で聞かれて嘘を答えるのは心が少し痛むが実際壁に叩き付けられるよりはマシだ)

出来るだけ真剣な顔をして答える。

「もちろんだよ」

すると倉庫からブサイクなぬいぐるみの声が聞こえてきた。

「騙されてはダメですよ!、その男達はエルヴァさんやユウさんが帰って来た瞬間に我先にすけすけ眼鏡を掛けたまま行こうとしたんですよ!」

思わずため息を付き肩を落として下を向いた。

(なに余計な事を言ってくれてるんだ!!あのボケ!!)

嫌な予感をしながら顔を上げてユウを見たがその顔は怒っているというよりも軽蔑し汚物を見るような目でコシミズを見ていたので思わず笑った。

「なんで笑ったんです?」

「そもそもすけすけ眼鏡なんてものは存在しないんだよ、そんなのがあったらもっと他に有用な使い方があるだろ?ただ二人をからかうために俺とアオキで嘘をついてたんだよ、あのぬいるぐみにもね、アオキはネタばらしをする前にこんなんになってしまったけどな・・・・」

言いながら床で倒れたままのアオキを見た。

「アオキをそろそろ助け起こした方がよさそうだ、エルヴァそろそろ下ろしてくれないか?」

コシミズが焦る様子も無くゆっくりと余裕を持たせながらいうとエルヴァはどうするか迷ったのかユウを見たが、ユウも判断に迷ったようでたたみかけてきた。

「まずは下ろしてくれ」

すると宙に浮いていた体が一気に落ちたが何とかうまく両足で着地した。

(うまく逃げれそうだ)

「大丈夫か?アオキ?」

倒れているアオキにひざまずくともう回復しているようで二人に気が付かれないようにすけすけ眼鏡を外しチラッとコシミズを見て頷いて答えた。

「打ち所が悪かったのか、腰が痛くてちょっと立てそうに無い・・・」

「腰はヤバイな、肩を貸すよ」

言いながらユウを見て懇願するように言った。

「ユウさん、悪いけど反対側で肩を貸してやってくれないか?」

「はぁ~」

ユウはすけすけ眼鏡を持った手を腰に当てて呆れたようにため息を付いていからこちらを見た。

「仕方ないですね」

いいながら手に持っていたすけすけ眼鏡を顔に掛けた。

「あっ」

思わずコシミズから声が漏れたが次の声がそれをかき消した。

「キャーーーーーーーー!!」

ユウが悲鳴を上げた瞬間にエルヴァがコシミズを睨むと体が宙に浮かんで思わず言った。

「助けてくれ!!」

ユウが慌ててすけすけ眼鏡を外してコシミズを睨んだ。

「コシミズさん、最低です、エルヴァちゃんやっちゃって頂戴!!」

言われたエルヴァがコシミズに向かって手を伸ばしてくると体が更に浮かび上がり勢い良く窓ガラスを突き破って外に出た。

「マジか!」

驚き思わず声が出たがまだまだ体が浮かび上がり電柱の高さを越えても止まることは無かった。

「アオキと比べて俺に厳しすぎません!?」

叫んだがもうユウやエルヴァには聞こえない距離になり近くの五階立てのビルより高い位置に来た。

「死んだな・・・、どうせ死ぬなら誤魔化さずにしっかり見ておくべきだったな・・・」

思わず呟くと急に体が落下をはじめ体中に死の恐怖が走り一気に冷や汗が出たと思うと走馬灯が頭の中を駆け巡るとアオキと酒を飲みすぎて吐いている光景を思い出したが十秒もしない内に地面に衝突した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ