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糖度100パーセント  作者: リクルート
6/70

仲間が増えたので

仲間が増えたところです

 仲間が増えた翌日。今日も学校だ。朝から彼女に起こされるのはなんとも幸せな奴なんだろう、俺は。

「なぁ、毎朝来なくても大丈夫だぞ」

「私が来たくて来てるんだよ。それとも迷惑かな」

「そんなはず、ないだろ」

「そうだよね。私、あっきーの彼女なんだもん」

 なんとなく嬉しそうにして、笑っている彼女を見ると、こっちまで嬉しくなる。毎朝こんな感じになるのならそれは幸せ以外の何物でもないだろう。


 ピンポーン。ピンポーン。

 インターホンの音がいきなり鳴った。いや、インターホンはいきなり鳴る方が多いとは思うけどな。

はーいと返事をして出て行ったのは俺だはなく来織(こおり)だ。俺が反応する前に出てしまった。俺より反応が早かった。

「おはようございます、来織。来てしまったのですが」

「待ってたよ、織姫。まぁ、上がりなよ」

 

 彼女は自然にその人を俺の家に上がらせていた。まるで自分の家のようだ。

「おい、勝手にあげるなにょ」

 焦ってなんか変な感じに噛んでしまった。

「何言ってんの。友達ならいいでしょ」少し怒り気味の言葉だ。

「いや、そういうことじゃない。俺の家とはいえ正確には両親の家なんだよ。勝手に上げたらダメだろ」

「わたくしだけ仲間外れですか。それに今のダジャレですか」なんで嬉しそうなんだよ。

「まぁ、今は親も仕事だし別に良いけどさ、今度からは少なくとも俺に言ってくれ」

「わかったよー。今度からは言うから」

 この返事は絶対にわかってない。俺は昔からこういうことがあるからわかる。こんな言い方してるときは、次も同じ失敗をする時だ。


 それから来織が料理をしてくれていたのだが、そこに織姫が入って二人で料理をしていた。こういうのを両手に花って言うんだろうな。なんか本当にこのまま漫画みたいな展開が続いたら、大変だなぁ。昔、漫画とか読んでいたときは、なんだこいつモテやがって幸せ野郎とか思ってたけど、いざなってみると大変なんだなぁとか思う。多分そういうやつらは精神が強いんだろうな。というか、もしかしてこのまま、俺のこと好きな奴が増えて、また増えて、みたいな展開にはならないだろうか。いや、ならないよな。さすがに漫画じゃないし、ここ現実だし。今のでフラグ建てたとかないよな。


「ご、ご飯が出来ましたよ。あ、あ、あなた」顔を真っ赤にした織姫が変なことを口走っていた。

「あ、あの、ご版が、出来たんですよ。あ、旦那様」

「それだと、お手伝いさんとか使用人みたいだな」

「き、聞こえてるなら反応してくださいまし!」それきりそっぽを向いてしまう。しかし、頬が赤くなっているのは丸見えだ。

「あっきー、ちゃんと返事してあげなよ」

 というか、お前はそれでいいのか。

「ふふん、あっきー君。私は考えたのだよ」

「何を?」というかお前も考え読めるのかよ。


「あっきーのこと好きなら、みんなで楽しもうということにしようと思って!!」


 まさかのどや顔である。これには俺も言葉が出ない。というか、何を言ってるのかがわからない。そもそも一人と付き合ってるのだから、その理論はもはや破綻しかない。論破しまくれる。

「どういう意味だよ。全く理解できん」

「簡単だよ。みんなで仲良くだよ」

「はぁ? 昨日は離れないでとか言ってたくせに」

「うん。そうだね。でもさ、私から離れずに、でも他の人も幸せってこれしかないし」

「はぁ、俺には無理だぞ。そんな器のでかい人間じゃない。一人しか愛せないし、他の人がいても愛情を均等に分けるなんてのはできないからな」

「均等とかじゃなくて、あっきーの好きなようにすれば良いんだよ」


 はぁ、これって完っ全にフラグだよな。きっと学校にはまだ俺の事好きな奴いるってことだよな。多分、来織が知ってるんだ。もしくは織姫に他の仲間がいてその人たちが情報を集めているんだ。きっとそうに違いない。

「あははははははははははは、はははははははははははは」


 理解が追い付かなくなった俺は朝だというのに大声で笑って壊れた。

 意味不明度100%な朝が終わる。

超展開、(゜∀゜)キタコレ!!

彼女の頭はカオスです。

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