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糖度100パーセント  作者: リクルート
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彼の考えた解決策

学校について、俺たちはそれぞれの教室に向かう。姫灯だけはなぜか部室の方に足を向けていた。訊くと、北さんがここに来るのに窓を開けておくらしい。学校の安全は大丈夫なのかと思ったが、娯楽倶楽部は二階だ。一般的なジャンプ力では明らかに届かないし、そもそも梯子なんかを用意してくるのは見つかる可能性の方が高い。ということはどうやって彼は入ってきているのか。それを訊くと。こう返ってきた。それは私も知らない、と。なんだか北さんは超人のような気がしてきた。


 教室について、富勇と話しながら時間をつぶす。それから授業が始まった。俺はそれが全く耳に入っていなかった。なぜなら、考え事をしていたから。そもそもお泊り会を開いた理由は灯勇がストーカーか何かにつけられているということだったのだ。彼女は昔にその被害に遭ったというのだから敏感になっているだけかもしれないが、彼女が心配ならなんとかしてやりたいと思う。それはどうしたら解決するのかわからない。警察は多分、何か証拠的な何かがなければ動いてはくれないだろう。それなら俺が解決するしかない。


 まず警察に頼るなら、物的証拠か何かを手に入れなければならない。もしそれができるなら、俺一人でもなんとかできるかもしれない。もちろん、相手が武装していなければだが。もし、ナイフなどの武器を持っていた場合、俺には太刀打ちする方法がない。俺は武術だけでなく殴り合いのけんかなんてしたこともないのだ。それが武装した人間には勝てっこない。それこそ超人のような能力がなければ無理だろう。さて、どうするか。


 俺は四時間目までそのことを考え続けていた。気づけば、昼休みを迎えていた。

「おい、大丈夫か。何か悩み事か。というか彼女たちのことだろ」

 突然、俺の前に顔が出てきた。それは富勇だった。

「何悩んでるんだ。話せるなら教えてくれ」

 彼はにやけた顔を引っ込めてそう言ってくれた。彼女たちが来る前に彼には少し事情を話した。その話が終わるころ、彼女たちが扉の前にいた。

「俺もなんか考えておく。戻ってきたら、また相談しようか」彼はそう言って、教室から出ていった。


「あっきー、富勇と何話してたの」

「ああ、くだらない話さ。いつものな」

 俺はできるだけ彼女たちには心配は与えたくないので、このことは言わないことにした。それに来織に言えば必ず助けようというだろう。それにみんなも巻き込んで、きっと助けるに違いない。


 昼食は娯楽倶楽部で取ることになった。そこには北さんはいなかった。多分、俺の家で留守番をしてくれているのだろう。俺たちは来織と織姫の用意してくれた弁当を食べた。今日も重箱に入っていて、皆でつついた。それから、今日もお泊り会を継続するかどうか、検討し始めた。


「今日もやりましょう。お泊り会」率先して賛成意見を出したのは織姫。

 俺たちは彼女が最初にそんなに張り切って言ったことが珍しかったので、視線でその理由を訊いた。

「皆さん、わたくしはお泊り会なんてしたことがなかったのです。だから、また今日も楽しめればいいな、とそう思ったのです」

 なるほど。彼女はお嬢様であり、友人をそんなことをしなかったのかもしれない。それで昨日それを体験したら、予想以上に楽しかったのかもしれない。

 

 しかし、多分またやるとしたら俺の家になるはずだ。それはあまりいただけない。なぜなら、俺の章有する家ではなく、両親の家なのだ。あまり好き勝手はしてはいけない。そうは思ったが、泊りを否定しては彼女を悲しませるかもしれない。それはあまりしたくない。どうすればいいのか。

 というか最近、考えること多くないか。


「今日もお泊り会はまず決定だね」

 俺が思考している間にもう決まってしまったらしい。俺は反射のような速さで言った。

「俺の家じゃないところにしないか」

 その言葉に皆がこっちを見た。


 結果、今日のところは来織の家に泊まることになった。まぁ、俺の家の隣だし、俺は困ったりはしないが。

 昼休みはその会議で終わった。


 午後の授業は手つかずだった。ストーカー対策に簡単にできることは皆で見張ることだろう。しかし、先ほど俺は協力者はいらないと思ったばかりだ。知恵を貸してくれるだけならいいのだが、彼女たちにいうとそういうわけにもいかない。だから、富勇に頼んでいた。


「いっその事、話してみればいいんじゃないか」

 彼の提案してきたものは意外なものだった。

 しかし、それは危険な行為だとは思う。相手が何を目的をしているのか、わからない。それにもし好意の対称が彼女であったなら、俺は殺されることも考えなくてはいけない。愛憎は何をするかわからないのだ。しかし、それはいい考えでもあった。なぜなら、それは相手の考えを知ることができるかもしれないから。


 とりあえず、作戦は接触してみる、ということになった。今度はどう接触したものかを考えなくてはいけなくなった。

最近、脱力して過ごしてます。なんとなく体が動かなくなっていく気がします(笑)


続く

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