表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
糖度100パーセント  作者: リクルート
2/70

初! 彼女がいる学校

続きです。昼休みっ!

 高校は家から徒歩で行ける距離だ。だいたい15分くらいだと思う。だから彼女の来織(こおり)と話す時間は15分ということになる。短いなぁ。

 そして、話しながら学校についた。

「じゃ、またあとでねー」彼女は靴を履き替えて教室に駆けていった。

 おうとの俺の返事も聞いちゃいないだろう。では、俺も自分の教室に行こう。

 この学校は一学年十クラスもあり、その中で何たる不幸か、俺は一組で彼女は十組である。さらに、階層が異なっていて、会いに行く時間と戻る時間がそこそこかかってしまう。

 俺は教室に入って自分の席の窓側一番後ろに鞄を置いた。まだ朝だが昼休みが待ち遠しいな。

「よう、あっくん。中々イチャイチャしてましたな。やっぱり付き合ったんだな」そう言って俺の肩を叩いた。そいつの顔はニヤついている。

「なんだよ。悪いか。富勇(ふゆう)

「いーや、悪いなんて言ってないさ。むしろ、嬉しいぐらいだね。なんというか、収まるところに収まったって言ったところか」

 こいつは中学校からの友人で何度も来織のことを相談したので本音だろう。もちろん、こいつが困っていたら助けるつもりだ。そういうことも話してある。ちなみに富勇は名前だ。

「お前たちチャイムはなっているぞ。早く座れ」戸を開ける音と共に担任が入ってきた。

 恋人ができて初めての学校が始まった。なんか楽しくなってきたな。



 さっき言ったことは訂正する。やっぱり楽しくはない。昼休みまでの時間が長い。教師の言っていることが頭に入らず、来織のことばかり考えてしまう。勉強に集中すれば早く感じていた時間は今はかなり遅い。

「ようし、今日はここまで。はい、挨拶」

「起立、礼、着席」

 はぁ、やっとおわった。昼休みなんて待っていられない。もう会いに行こう。

 教室の戸を開いて、ダッシュしようとしたらすぐそこに彼女がいた。

「あっきー、来ちゃった」少し照れたような笑顔。

 破壊力抜群だ。来ちゃった、だってよ。来ちゃった。今なら校庭を何周いや何十周もできるな。

「あっきー?」彼女は俺の顔を見つめていた。

「あー、いや、何でもない。大丈夫だ。それよりどうした」

「えっと、それがね、教科書忘れちゃってさ。あっきーの用意したのに自分の忘れるなんてね」照れた笑みが素晴らしい。

「どの教科書だ。貸すよ」

「国語の教科書だよ。あんまり教科書使わない授業だから忘れちゃったよ」

「ああ、ちょっと待っててな」

 席に戻って教科書を手に取る。国語、だよな。よし、合ってる。そして、彼女のもとに戻る。

「ほい、これだよな」

「うん、そうだよ。ありがとねー。授業終わったら返しに来るから」そう言って彼女は嬉しそうに去って行ってしまった。

 だが、これで次の時間の彼女に会える。元気出てきたな。

 それから授業を受けて、次の時間も彼女は来た。授業と時間は過ぎていった。



 そして、待ちに待った昼休みだ。いつもは小説やラノベを読んでいたが今日は違う。

「あっきー、ご飯食べようー?」教室の後ろの戸から彼女が声をかけてきている。

 それに軽く手で答えて、彼女のもとへ行く。

「あっきー、今日も学食なの?」

「ああ、うん。弁当ないしな」

「じゃあじゃあ、私の作ったお弁当食べてよ」彼女の顔がズームアップした。

「あ、ああ。わかったよ。だから、落ち着け」

 それから俺たちは屋上へ移動した。来織曰く、恋人同士なら屋上ということらしい。どうも彼女は漫画のような状況を普通だと思っているらしい。

 屋上に出ると人はそんなにいなかった。天気の悪い日や前日の雨が残っている場合を除いて、屋上はいつでも解放されている。だから、カップルのたまり場という噂を聞いていたがそうでもなかったらしい。

「人、少ないな。もっといるのかと思っていたが」

「いいじゃん。ラッキーだよ!」またもやズームアップ。

 まぁ確かに、気にしすぎか。いないときもあるのだろう。それよりも彼女の弁当だ。どんなものでもやっぱり手作りは嬉しいものだ。

「はい、お弁当。あっきーの分だよ」ピンクの包みに包まれているものを渡してくれた。

 お礼を言って、その包みを解いて弁当箱の蓋を開けた。中には卵焼きにから揚げ、肉団子それ以外に何品か。白米の上にはハートが描いてある。手作り弁当の代表みたいな作りだ。早速食べてみよう。

「どうかな。美味しい?」

 正直驚いている。朝食に作ってくれたものは火加減さえ見ていればそこそこうまくいくもので俺でも作れるものだったが、これはそうはいかない。卵焼きはきれい焼けていて、味も俺好みのものだ。ほかのものもかなり手の込んだことをしているようだ。彼女の初弁当は美味しくないというのがベタな展開かと思ったが、そうではないらしい。

「あっきー、おいしいの?」

 答えようと思ったがあまり見美味しすぎて夢中になっていた。

「ああ、かなりうまいな。うまく表現できるほど料理詳しくないのが残念だ」

「そっかぁ! あはは、作った甲斐がるよ」彼女は可愛く頬を染めて笑っている。

 ああ、美味しい弁当を作ってくれる彼女を持って幸せだ。もちろんそれだけではないけどな。

 こうして彼女のいる糖度100%な初の昼休みは終わった。

To be continue!


またみてね!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ