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第8話 少女の願い

(姉さんを助けて、といわれても・・・)

彼女からのお願いは倒れてしまった姉を救ってほしい、というものだった。

なぜ倒れたのか原因もわからず回復魔法も薬も効かないとのこと。

それじゃあ俺にも無理だろ、そう思ったのだが

時間魔法ならなんとかなるかもしれないらしい。

時間そのものに干渉できる魔法などこの世界では伝説で、

御伽話にその存在があるくらいだそうだ。


「なあラズリー、俺の魔法で姉さんが治るかどうかはわからんぞ」

「それでも、可能性があるならそれを信じたい。

居るかどうかわからない王様よりは、あなたの力に賭けてみたい」

「そういわれてもな・・・」

俺にそんな大層な力があるとは思えないし、彼女を助けたのも成り行きだしな。

やんわり断ろうとしたのだが


「だめ・・・ですか・・・?」


瞳潤ませて上目遣いで頼むのは卑怯だろ・・・はぁ、女の子のお願いは断れないよな。

この世界にきて目的もまだ決まってないし、

この力で誰かを助けられるならそれも悪くないしな。

・・・あれ、最初の目的の情報収集忘れてるな。まぁ後でいいか。


「わかった。俺に出来る事ならやらせてくれ。でも、絶対治る保障はないぞ?」

「それで充分です!ありがとうございます!」

まあ、なんとかしてみせるさ。人助けならぬ妖精助けってな。


「じゃあその姉さんの所まで案内してくれ」

まさか連れてきてもらう訳にも行かないから住んでいる

場所まで案内してもらうつもりだったのだが・・・

「・・・え?」

・・・ちょっと待ってくれ。まさか・・・

辺りをキョロキョロ見て泣き出しそうな顔でこちらを見てくる。

「もしかして・・・迷子?」







完全に迷子になって泣きそうなラズリーをなんとかなだめて、

妖精族の里を探すことにする。

彼女に触れながら生命探査を使い、似ている魔力を探して

その方角へ向かうことにする。

近くまでいけば見覚えのある景色があるだろう。


「凄いです!こんな景色初めてみました!」

「あれ?飛べるんだったら自分でもいけるだろ?」

「いえ、わたしたち妖精はそこまで長く飛べないのです。

あくまで風の加護あってのことですから」

「ふ~ん、そうなのか・・・」

そうして俺はラズリーを背に乗せて樹海の上を飛んでいた。

かなり速度を落として飛んでいるので負担も少ないはず。

彼女は高い所からの景色を眺めて上機嫌だ。泣いたり笑ったり忙しい。


しばらくすると似た魔力を近くに感じた。

「このあたりだと思うんだが」

何故か魔力にフィルターがかかっているようで感知しにくい。

「あそこです!あの大きな木の麓あたりに」

「わかった。じゃあ降りるぞ」

「ちょっと待ってください、今結界を・・・」

ラズリーがなにか言っていたがよく聞こえず、降下を続ける。

途中で壁のようなものにぶつかったが、気にせず進むとあっさり破けてしまった。




そうして地上に降りると何故か、妖精達に囲まれた。しかも敵対心全開で。


「なんか、またやらかしたか?俺・・・」

自分の学習能力のなさに呆れつつ、この状況をどうするのか頭を悩ませることになった。


お読みいただきありがとうございます。

すいません、着いただけでした。

次回はお話と治療です。

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