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第2話 光り輝くなにか

「ふぁ〜、よく寝た」


のそり、と体を起こし伸びを一つ。

眼を擦ろうとしたところ、ガギン‼︎と変な音がする。

ああ、そういやドラゴンだったっけ・・・。

自分の身に起きた事だというのに、

他人事のように感じてしまう。

ボーっとしたまま水場に近づき、そのまま頭を突っ込む。


「ガボガボガボ・・・、ぷはっ」

タオルもないので、頭を振り回し水を飛ばす。

犬か猫じゃないけど今はこうするしかない。

ドラゴンとはいえ、生活用品は欲しいかな・・・。

的外れな事を思い浮かべ、意識をはっきりとさせる。


「ふう、だいぶ眼が覚めた。・・・うん?」

昨日は慌てていたから気づかなかったのか、

水をよく見てみると、輝いているように見える。

いくら綺麗な水だとしても、これ程の

輝く水は見た事がない。

山奥の源泉でも、ここまでのものはないだろう。


「なんだ、これ・・・」

手ですくってみる。眼を凝らしてみると、

正確には水の中に混じっている何かが、

光っているようだ。


「もしかして・・・」

周りを見渡せば、昨日と同じような広い空間。

だが、先程と同様に眼を凝らして見てみると、

水だけでなく、元々光っていた石、

自分が寝ていた場所、さらに体全体も

普通に見るより、輝いて見えたのである。


「ひょっとして、これが魔力ってやつか?」

仕事が忙しくなってからは、ほとんどやっていなかったものの、

昔はゲームなどを楽しんでいた。

うろ覚えだったとはいえ、ドラゴンといえば

強力なモンスターで、ブレスを吐いたり

魔法を使うことくらいは覚えていた。


「体にも流れてるって事は、

これ俺でも使えんのかな・・・」

物は試しと言わんばかりに、全身の力を一点に集めるイメージをし、

手のひらに力を込めてみる。

すると、あっという間に握り拳大の

輝くボールが出来た。


「スッゲー!まるで魔法じゃん!」

まるではしゃぐ子供のように、色々試してみる事にする。

魔力に色を付けてみたり、形を変えてみたり、

どんなことができるのか、それを考えるだけで

心がどんどん弾む。


「なんだろこれ、めちゃくちゃ楽しい!」

やりたくもない仕事からの解放感か、

忘れていた童心を思い出した俺は、

ずっとその力で遊び続けた。




魔力弾を何個出せるか試してみたり、


炎と氷のブレスを同時に吐いてみたり、


屋内なのにハリケーンを巻き起こしたり、


全身を雷にして光速で動いてみたり、


空間を捻じ曲げて自分だけの世界を創ったり、


重力を操作して小型ブラックホールを発生させ、


慌てて時間を戻してそれを消したり、


考えて思いつくことは、片っ端からやってみた。




かなりの時間が経ったにも関わらず、

不思議と疲労感はなく、奇妙な高揚感があった。


「ドラゴンになるのも、悪くないかも。」


なんやかんやで、現状を楽しんでるあたり

元の世界よりは、生きる価値があるかもしれない。

そんな風に考えながら、眠りに就いた。





・・・彼がやたらめったらに魔法を使い、

膨大な魔力を撒き散らしたことにより、

この空間にはさらに純度の高い魔石が発生していた。

そのため濃密な魔力が充満したこの聖域は、

もはや『居るだけで強くなる』ような寝床になっている事など

知る由もなく、異世界二日目は過ぎていった・・・。



お読みいただきありがとうございます。

主人公と共に自宅も強化されます。

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