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SS短編集  作者: sirasagiri
3/6

SS③

ちょっと寸止めかもです。ご注意下さい。

 あなたは私がいなくなったらどう思うのかな。

 きっと、どうとも思わないんだろうけど。




 あと5分で日付が変わる。

(今日も、帰って来ないんだ…)

 冷えた夕食を冷蔵庫に仕舞い、息をつく。

 そしてリビングの電気を消して、階段を上がる。

 静かな家に歩く音だけが響く。

 二階にある寝室の扉を開け、暗い部屋の中に入る。

 ゆっくりとキングサイズのベッドに腰掛けて、シーツに手の平を這わせた。

 結婚して2年。まだ新婚と言われてもおかしくはないのだけれど、彼との仲は既に冷え切っていると言っても過言ではないと思う。

 この半年、彼とまともに話した記憶がないのだ。

 いつも夜遅くに帰ってきて朝早く出ていく。若しくは何日か帰ってこない。休日も無いようで、日曜祝日でさえ、同じように家を出ている。

 彼がそんな生活を始めた頃は、戻ってくるまでは起きていたりしたこともある。

 でも。

『まだ起きてたのか』

 不機嫌そうに、溜息をついてそう言われてしまえば、頭が真っ白になって動けなくなった。

 帰ってくるまで起きているのがダメなら、朝だけでもと思い、彼より早く起きてごはんの用意をしていたら。

『何でこんな時間に起きている』

 眉間に皺を寄せて溜息をつかれたら、また動けなくなった。

 そんなことがあっても彼を待つのは止められなくて、日が変わる頃までは起きていて、彼が仕事に行く頃にベッドで起きて寝ているふりをしていた。




 ………カタン…

 小さな音でわたしは目を覚ました。どうやら眠っていたらしい。

 彼が帰って来たのだ。

 ガサガサと物音が聞こえる。

 少ししたら寝室に入って来た。

 扉が閉まる。

 ドクン。心臓が嫌なほど大きく響いた。

 彼がベッドに近付いてきた。

 端の方に腰掛けて、ベッドに乗る。

 必死に眠ったふりをして、彼の動きが静かになるまで待つ。

 彼の寝息が聞こえてきた。

 微かに目を開けて振り向く。

「………ッ…」

 彼は私に背を向けて、眠っていた。







 もう、我慢の限界だった。

 彼のことが好きで結婚したはずだったのに。

 どうして結婚してからはうまくいかないの。

 これならまだ、付き合っていたころの方がもっと楽しかった。

 部屋の棚に飾られている写真が目に入った。

 彼と二人で出かけて、とても楽しそうに笑い合っている写真だ。

「………もう、むりだよ…」

 声が震えた。

 視界が歪んだ。

「……もう、だめなら、こんなのいらない」

 その写真立てを手に取って、無理に笑った。

 ああ、もうこんなふうに笑えない。そう思った。


 そして、彼女は写真立てを床に叩きつけた。


 ガラス製の写真立ては、ガシャンと音をたててガラスごと砕け散った。


 これから、どうしよう?

 このままここでは暮らせない。彼と別れないと。

 2年で離婚かぁ。早かったな……。バツがついちゃった…。

 部屋も片付けないと。安い部屋探して、仕事も見つけないと。


 そんなことを考えながら、のろのろと動き始めた時だった。


「おい、大丈夫か!!?」


 乱暴に扉が開かれて、彼が部屋に飛び込んできた。

 あまりに吃驚して、涙が止まる。

 彼の言葉に答えられないでいると、彼に肩を掴まれる。

「怪我でもしたのか? 何で泣いてるんだ? ここにいたら危ないからこっち来い」

 二の腕を掴まれてぐいぐいと引っ張られた。そしてリビングに連れてこられる。

「座れ。怪我してないか確認する」

 彼は私をソファーに座らせると、足を持ち上げた。

「何で、いるの?」

 いつもだったら帰って来ていない時間だ。だってまだ、夕方なのに。

 彼は丹念に、私の足の裏を確認しながら、答えた。

「仕事が終わったから」

「終わった?」

「そう。今日から早く帰ってこられるようになった」


 え、なに。どういうこと。


「……怪我はないな」

 安心したように、彼は言った。

「気をつけろよ。怪我したら危ない」


 なんか、心配されてるみたい。

 まだ好きでいてくれてるの?それとも、彼の優しさ?

 最後に、こんな優しさをくれるなんて、ずるい。


「…ど、どうした?」


 動揺した彼の声が聞こえた。

 一体どうしたのだろう? 聞きたいのはこっちだ。


「何で泣くんだ……」


 彼に言われて初めて気が付いた。

 そして、気づけばもっと涙が溢れてきた。


 私の頭を撫で、流れる涙を拭う彼は、すごく困った顔をしていた。











この後はお互い誤解を解いていちゃつく予定です。

異常なべた甘夫婦になるはずなんです。


でも、すいません。

今はこれ以上書けないのでありますうぅぅ( ノД`)…


いずれ書ける日が来たらちょっと続きを書くかもです。


ほんとすいません。

でもこのSS集、こーゆーのの寄せ集めだから、仕方ないですよね f(^ー^;

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