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こういう間柄
※ Dark・Hunter2─闇夜の道化師─『誰にも言えない【10】』より抜粋。
すると、窓に小石だろう何かが飛んできて当たり、窓が割れた。
エミリアの表情にみるみる笑みが宿っていった。
「やっぱりティムなのね!」
また同じように窓に何かが飛んでくる。
エミリアは殺気を感じてベッドから離れた。
次いで矢がさきほどまでエミリアがいた場所に突き刺さる。
エミリアの表情に戦意が走った。
「おじさん、あたしちょっと行ってくるね!」
クルドは慌てて引き止めた。
「ちょっと待て。行くってどこにだ? 外はもう夜だぞ。しかもティムが来たとなぜわかった?」
にこりと笑ってエミリア。
「さっき窓が割れたでしょ? あれね、あたしとティムで決めた秘密の合図なの。会う時はこうやって合図を決めたんだけど、あ」
エミリアは「しまった」と舌出して肩をすくめる。人差し指を口元に当て、
「──これ内緒ね」
「お前ら一体どういう間柄なんだ!?」