雪降る夜
【エーヴ:アミトラル邸】
「あ、見てみてぇ!雪が降ってきたよ!」
アリーが言った。
小規模な街、エーヴの中心地にあるアミトラル邸。街の発展に尽くした
アリー・アミトラルが暮らしている。大豪邸で、街の3分の1を占める。
「アリー様、雪って珍しいですねぇ」
お世話係のユルがほわほわとした雰囲気で言った。
アリーは、街の発展に尽くしたと行っても、御歳10で、まだまだ子供だ。
先祖代々この街に暮らし、街の人の良き友人、家族として街とともに歩んできた。
「失礼します」
ノックの音が聞こえ、ライズ・ウィーターが紅茶セットを持って入ってきた。
「ライたんありがとぉー」
アリーが笑顔でライズの入れた紅茶を受け取り、美味しそうに飲んだ。
「そろそろ、お眠りにならないといけませんわ、アリー様」
「んー、コレ飲んだら寝るからぁ」
いつものような風景を、微笑ましく見守っていたライズ。
遠くの方で、何かの音がしたのに気付かなかった。
ボーン ボーン ボーン
アリーが寝て、使用人達も寝静まった真夜中。
「イヤァァ――――――――――――!!!!」