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悪魔の旅は
僕は、旅をした。
強引にアルトと別れ、さまざまな街を旅した。
道行く人々は誰も気づかない。僕が、異常者であることを。
「エーヴに行く道はこの街道ですか」
おばさんに声をかけた。
「ああ、エーヴに行くのならその道で大丈夫だよ」
割と、明るく、優しげな声。
僕が異常だと知ったら、どう思うだろう。別に、知られる前に始末するけど。
「ありがとう」
彼女は、にこにことしながら去って行った。
僕は旅をする。立ち寄った街を破壊しながら。人々を生贄として集めながら、
人口の多い街へと移動する。
一定の数まで集まると、我が父上が、復活する。
よくわからない破壊的衝動に従って。
「エディー・ターン」
辺りが暗くなった。といっても、僕の周りだけだが。
「あら、何かしら?甘い匂いがする」
さっきのおばさんが遠くでつぶやいた。
ニヤッと笑うと、「ゴー」
とつぶやいた。