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人の恋路を邪魔しちゃいけません。  作者: 七賀ごふん
転校生の不敵

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55/99

#1



目眩?

すぐに理解できなくて呆然としていたら、彼は口元を手で抑えた。

「もともと貧血気味で、出たくなかった体育に出て、トドメのお前の奇行はぶっ倒れるに充分だったってこと」

「な……なるほど」

充分な説明に納得して頷く。でも奇行って……キスのこと?

「……大丈夫なの?」

恐る恐る尋ねると、夕夏は上手い具合に視線をそらした。

「微妙。ちょっと今は動きたくない」

だから先に教室に戻れ、って急かすように付け足してきた。でも、


「いや。倒れたのは俺のせいってことで、責任持って何とかする」

「責任って……うわっ!?」


智紀は肘と膝に力を入れて、とても無防備な夕夏をお姫様抱っこした。けど予想以上に軽くて、逆に落としそうになる。

「何すんだよ、下ろせ!」

「立てないんだろ。保健室まで連れてってやるから心配すんな」

「嫌だっつうの! こんな状態でっ……冗談抜きで下ろせ!」

暴れることで触れる彼の腕が、またさっきより熱くなってる気がする。


「智紀っ!!」

「わかったわかった……そんな怒んなって。見られなきゃいいんだろ。心配しなくてもまだ授業中だから誰にも会わないって」


何とか笑顔で答えると、夕夏はあからさまに嫌そうな顔でため息をついた。


「そうじゃなくて、お前に借りを作りたくないんだよ。また何かに託けて、あの奇行の続きを強要するつもりだろ」

「そこまで性悪じゃねえよ! あといきなりした俺が一番悪いけど、キスを奇行って言うな!」

「奇行だろ。それでなきゃ愚行」

「お前なぁ……」


何か、すごい子供じみた口論が勃発してる。さっきまでの、子犬みたいに怯えてた感じはどこ行ったんだか。ぐるぐる考えながら、結局抱っこしたまま歩く。

でも、ちょっと大人しくなったか。何も無い直線の廊下を歩いて、人の気配が無いことを確認する。

夕夏は、少しだけ身をよじった。

「……」

こんな風に、温もりが心地よく感じたのはいつぶりだろう。

思い出せない。多分それはずっと前で、時間と一緒に薄れてく程度のものだったから。

────でもこれは違う。


「なぁ夕夏。相談があるんだけど。 お前にしかできない相談」

「何だよ」


相変わらず仏頂面でいる夕夏に苦笑した。

「あー……」

……本当、変わらなすぎる。


「男が好き。って言ったら、まずいかな?」




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