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人の恋路を邪魔しちゃいけません。  作者: 七賀ごふん
生徒会長の過去(未来)

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#6



自分の言葉に耳を疑い、それから何としても前言撤回しなきゃと思った。

「あ、今のは……違うんだ、普通に冗談で」

慌てて言い訳しようとした。

でもそれより先に、智紀は俺の腕を掴んで引き寄せる。


「智……っ」

「分かった、話してよ。絶対助けるから」


俺の思いつきにも近い言葉を真に受け、彼は真剣な表情でそう言った。

台詞としては軽々しい。なのに、あまりに頼りがいがある。受け止めてくれている。体も、心も……自分でも信じられないけど、ほんのちょっとだけ、惚れそうになった……気がする。

もしかして、俺は智紀のことが好きなのか?

そう思った瞬間、真弘に“惚れっぽい”と言われたことを思い出した。

そうだ、これは勘違い。そうに決まってる。優しくされたこと自体久しぶりだから麻痺してるんだ。


「おーい、夕夏。急にフリーズすんなって」

ペチッと頬を叩かれる。

「で、何があったの。何に困ってる?」

「あ、それは……」

言葉に詰まる。自分から言っといて、具体的な悩みが上がってこない。俺は結局、何に困ってるんだろう。

どう助けてほしいんだろう。

「悪い、……わかんない」

自分の気持ちすら理解してなかったのか。

馬鹿じゃん……。


こんなんじゃきっと智紀にも呆れられると思ったけど。


「そっか。じゃ多分、全部に困ってんだな。心配すんな、一つずつ解決してこうぜ!」


彼は呆れも怒りもせず、満面の笑みで頭を撫でてきた。

やばい。


「ありがと……」


絶対おかしいだろ。どうしてそんなお人好しなんだ。

「どういたしまして。まだ何もしてないけど」

智紀はにこっと笑った。何かその笑顔を見るだけでも熱くなってくる。

「じゃ、今までのお前の学校生活を改めて! まずは人付き合いから直していこっか」

「いきなり? そこは別に困ってないんだけど」

「だーめ、お前は独りになり過ぎたんだよ」

普通に拒否ったけど、またしても彼に手を引かれて走らされた。一緒にいると疲れる。それは間違いない。

けどこの手を振り払えない。それどころか、彼といると何故か心強かった。


「夕夏。皆がどう思ったとしても、俺は絶対お前の味方だから。いつでも頼ってこいよ」


彼の言うことは一々恥ずかしい。それがむず痒くてしょうがないのに、頷くことしかできない。

困った。

嬉しくてむず痒くて、今すぐ逃げ出したい。




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