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人の恋路を邪魔しちゃいけません。  作者: 七賀ごふん
転校生の憂心

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45/61

#5



言うことも表情も、全部が寂しかった。少し近付けたと思ったらまた離れてこうとする彼が、本当にもどかしい。


────何をそんなに怖がってんのか。

分かんないけど、教えてくれたら守るのに。


「何回も言わせんなって。ここじゃ、お前が俺の最初の友達だ。俺はお前と一緒にいたいんだよ」


拳を強く握りしめて、勢いに任せた。声を張り上げた喉がちょっとだけ痛かったけど、気持ちはさっきよりも軽い。

「何だよそれ。気持ち悪いこと言うなって」

夕夏の返事は予想どおり素っ気なかったけど、さっきより笑顔が戻っていた。それが分かってホッとする。

良かった。ちょっとは元気出たみたいだ。

「とにかく、そういう事だから。一人で何か溜め込んだりすんなよ。悩み相談は、友達には必須だからな」

「お前に心配される様なことは何もねえよ。つうか俺よりも自分の成績の心配してろって」

「大丈夫だよ、赤点さえ取んなければ!」

言い返すと、夕夏は吹き出した。それにつられて、何か色々ばかばかしくて笑ってしまった。

しばらく二人の笑い声が教室に響いた。


「じゃ、本当に話終わりでいいよな? 俺これから生徒会の仕事あるから」

「あ、そっか。ゴメンな」

「別に」

鞄をとって、夕夏はドアを開ける。

「智紀」

「ん?」

あれ、久しぶりに名前を呼んでもらえたような。

記憶を思い返してると、夕夏は少しだけ振り返った。


「……また明日」


聞き取るのもやっとの声だったけど、彼は静かに告げて教室を出ていった。

「また……か」

初めて言われた別れの挨拶。普通の奴なら普通に交わすものなのに、夕夏の場合は普通じゃなくて。

めちゃくちゃ嬉しく感じてしまった。




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