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人の恋路を邪魔しちゃいけません。  作者: 七賀ごふん
転校生の憂心

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44/99

#4



「もしかして、ほったらかしたこと怒ってる?」

今は放課後。教室には自分達しかいないから、ちょっとだけ距離を詰める。

反応が見たい。怒るんでも、呆れるんでもいいから。

でも、待ちに待った夕夏の反応は“無関心”だった。

「意味がわかんないな。何で俺がそんなことで怒んなきゃなんねえの?」

「お、おう。そうだな」

正論なので頷くしかない。でもどうしよう。

「うーん……なんだろ。俺もわかんない、けど」

すごく無責任な発言をしてしまったと思った。……でも。


「やっぱり、お前はそのままじゃいけないんだと思う。余計なお世話かもしれないけど、もっと肩の力抜いてさ。気楽にいこうぜ」

「お前さ、何でそんなに俺にかまうわけ?」


話の内容には一切突っ込まず、夕夏は席を立った。妙なプレッシャーを感じる。まるで試されてるかのような。

「飽きもせず話しかけてくんのは尊敬するけど。俺みたいな奴に構うだけ時間の無駄だと思うよ。一緒にいても楽しくないだろ」

ひどく冷めた言葉だ。思わず、こっちもムキになる。

「いいや! 楽しい」

「何が? 具体的に述べて」

「そういう面倒くさいことを言うところ」

「なるほどね。じゃあ俺の嫌いな所を言って。これも、具体的に」

喧嘩じゃない。お互い、質問と回答を繰り返してるだけ。なのに何で、こんなにドキドキすんだろう。夕夏の責めるような目つきから、……怯えるような手から、目が離せない。

見てるこっちが不安になる。でも、これだけははっきり言えた。


「ないよ。苦手なところなら一杯あるけど。……お前は、本当は優しいじゃん」


俺達はまだ会って日が浅い。だからこそ昨日のことのように、鮮明に思い出せる。男子校に入ったことを嘆いた時は励ましてくれたし、不田澤に襲われかけた時は助けてくれた。あれは、実はかなり嬉しかった。

率直な気持ちだ。それ以上に上手く表せない。

そして何回思い返しても、きっと色褪せることはないだろう。

「だから、案外良い奴じゃん。お前は」

俺としては、そう思うけど。

夕夏はさっきより困ったような顔で額を押さえた。


「その言葉そっくりそのまま返すよ。だから俺なんかと一緒にいないで、他の奴と仲良くなれって言ってんの。もっと普通の奴らとつるんで……でないと、もったいないよ。……お前は」




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