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人の恋路を邪魔しちゃいけません。  作者: 七賀ごふん
生徒会長の報告(脅迫)

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#9



……危なかった。真弘達には絶対気付かれたくなかったから否定したけど。

間違いない。今自分は確実に、“彼”に振り回されている。


「夕夏ー、お願い! この数式まったく分からん教えて!」


子どものような笑顔を浮かべ、智紀がやってきた。そう、彼がその張本人。中間テストを来週に控え、ノートと教科書を翳している。

「……俺これ昨日教えなかったっけ」

最近の三年生の話題は、もっぱらテストだ。受験を前に、いつも遊んでるクラスメイトも皆血眼になって勉強している。

その中で唯一、こいつだけがニコニコしていた。

「うん、確かに教えてもらったんだけどね。ゴメン、忘れちゃった……」

あんだけ懇切丁寧に教えてやったのに、このクソ……。でも乗りかかった船だし、最後まで見よう。そう思って立ち上がると、智紀の隣に顔を覗かせる奴がいた。


「ねぇ、俺で良かったら見ようか?」


声の主は、クラスメイトの弥栄だった。下の名前は……知らない。

急に話に割り込んできたことに驚いたけど、それよりも驚いたのは、

「ほんとに!? わー、ありがとう、お願いします!!」

「OK、じゃ今からちょっと残って勉強しよっか」

智紀が、弥栄の声掛けに二つ返事で大喜びしたことだ。弥栄も、智紀の返事を聞いて嬉しそうに自分の席に戻って行った。何だ? 何かムカつく……けど、俺は何にムカついてるんだ。


「はぁー、なんて良い人なんだろ! 名前、弥栄だよね? 前から喋ってみたかったんだ! イケメンで優しいとか反則だよ!」


智紀はガキみたいにきゃっきゃとはしゃいでる。それがまた、胸のモヤモヤを倍増させた。

「はっ、騙されんなよ。あんなのどうせ貸しを作っときたいだけだぜ。俺の方が成績上だし、見返りを求めないって意味でも俺のが勝ってるね」

良くないと思ったけど、口からは嫌味しか出てこない。止まりたくても止まれない、皮肉のアクセルを踏んでしまっている。

当然ながら、それを聴いた智紀は憐れみの目で俺を見てきた。


「……残念だけど、そういう卑屈な考えしてる時点で負けてるよ。その証拠に、人望的にも弥栄の方が勝ってるだろ? お前こごでは俺以外に友達いなそうだし」


空いた口が塞がらない。心臓をフォークで突き刺されたような感覚だった。

理由はひとつ。彼の言う通り、……図星だからだ。


俺は、友達がいない。




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