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人の恋路を邪魔しちゃいけません。  作者: 七賀ごふん
生徒会長の報告(脅迫)

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#6



そもそも夕夏は笑うことがない。だから彼を無条件に笑わせてくれるものが必要だ。映画とかもいいけど、もう少し変化が分かるもの。

「あ、行きたいところ思いついた!」

高らかに挙手する俺を、彼は非常に白けた目で見る。けどそんなのはもう慣れっこなので、揚々と行きたい場所を告げた。


三十分後、俺達が来ていたのは可愛らしい外観のカフェ。


「うわぁ~! やっぱり猫って可愛いなあ!」


大興奮で、足元に来た懐っこい猫を撫でる。今回やってきたのは、ここらで人気の猫カフェだ。って言っても俺は場所を知らなかったから、夕夏に案内してもらった。

身体を動かしてストレス発散するのもいいけど、疲れてる時はやっぱ動物が癒される。今、夕夏に必要なのは“癒し”だ。

誰彼構わず当たり散らしてるのは心が荒んでいるから。可愛い動物と触れて人間らしい気持ちを思い出せば、人にも優しくなれると思う。

気付いたら俺以上に、夕夏は猫に夢中になっていた。

「俺達初めて来たけど、寄ってきてくれるコが多くて良いな!」

「あぁ……」

夕夏は床に膝をついて、もふもふした猫の首を撫でている。こうして見ると、何か夕夏も猫っぽい。


「お前、猫好きなんだな。家でも飼えばいいのに」

「無理かな。弟がアレルギーだから」

「お前弟いんの!? なのにそんな暴れ……じゃない、アレルギーじゃしょうがないな!」


彼の逆鱗に触れそうなことを言いかけたけど、慌てて軌道修正する。ドキドキしながら反応を窺うと、彼は黙って頷いた。


ははぁ……。


めいっぱい猫を可愛がって満足した後、俺達は店を出た。夕夏はちょっと名残惜しそうで、それが何か可愛いと思った。

「そんな寂しがんなよ、夕夏! テスト終わったらまた来ようぜ」

彼の頭をぐしゃぐしゃ撫でる。でも何も抵抗せず、彼は成されるままだ。

しおらしいというか、大人しい。それがめちゃくちゃ可愛いんだけど、静かな夕夏に慣れてないから戸惑う。


普段が乱暴だから、こっちもそれなりに戦闘態勢で構えてるんだろう。急に素直になられると反応に困る。


でも、やっぱ可愛い。……かも。


沈んでいく夕日を横目に、駅へ続く高架下を二人で歩く。

途中、夕夏は自販機でジュースを二本買って、一本を俺にくれた。ありがたくもらって飲んだけど、炭酸だからかすごい辛くて涙が出てしまった。




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