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人の恋路を邪魔しちゃいけません。  作者: 七賀ごふん
生徒会長の報告(脅迫)

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#4



「おっ! おはよう、須賀!」

「おはよう! 今日の小テストやだなー」


教室に入って交わす、何気ない朝の挨拶。智紀は溌剌として応える。

「七瀬もおはよー」

「……おはよう」

そんな彼と対照的な、必死の作り笑い。クラスメイトに向ける夕夏の笑顔は仮面のようだった。智紀は転校初日しか向けられてない笑顔だ。


「なー夕夏、中間テストってすぐなんだろ? 勉強教えてくれ」


でも見せかけの笑顔を向けられるよりは、顰めっ面の方が良いなんて思ってしまう。

正面から、本当の彼を見ていたい。けど、

「やだね。せっかくだから全教科赤点とって補習でも受けてろ」

夕夏は他のクラスメイトに聞こえないようにボソッと呟く。相変わらずの塩対応だ。

「だって、俺はこの学校のテスト初めてだし、進み具合もまだ完全に解ってないし。わりと真剣に教えてほしいんだよ」

手を合わせて頼み込むと、夕夏ではない他の誰かの声が聴こえた。


「それはその通りだな。七瀬、須賀君に勉強教えてやんな。どうせもう大体の範囲はわかってんだろ?」

「げ……先生……っ」


いつから話を聞いていたのか、気付けば二人の真後ろに担任の笠置が立っていた。

「なっ? 須賀君はもう同じクラスの仲間だろ。もし大変だったら、他の誰かにも頼んで皆で勉強会とか」

「ははは、まさか。大変なんてこと……俺一人でじゅうぶんですが」

「おー、さすが頼もしいな。じゃあ須賀君をよろしくたのむぞ!」

先生は夕夏の言葉を聴くと、ゴキゲンで教卓の方へ行ってしまった。


「別に、他の誰かに頼んでも良かったんじゃね? どしたの?」

「他人の手を借りるなんて冗談じゃねえ。心配しなくても俺に不可能なことなんてないし」


そう言う夕夏の顔は、半ギレな気もしなくはなかったが、とりあえず自信に満ちていた。

さっきはあれだけ教えるのが嫌そうだったくせに……なんなんだ、こいつは……。

「それにお前、幸いなことに馬鹿じゃないんだろ。俺の言う通りにしたら満点だよ」

「え? どうだろ、勉強は間違いなく嫌いだけど」

智紀は頭を掻きながら笑った。そんな様子の彼を見て、夕夏はため息混じりに席につく。

「放課後、教えてやるから一時間で理解しろよ」

「一時間。微妙だけど、了解……っ」

不本意なんだろうけど……頼まれたら断れないのか、夕夏は真面目にやる気でいた。




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