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人の恋路を邪魔しちゃいけません。  作者: 七賀ごふん
転校生の窮余

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30/99

#7



多分いつもそうだ。こうして本音で言い合えてる時は、彼は楽しそうに見える。慣れてくると段々面白い。可愛い奴なのかも。

そうだ!

「なぁ、七瀬って下の名前何て言うの?」

「名簿で探せば」

何で素直に答えられないんだか。でも、彼の名前を知らなかった自分に驚きだ。今まで気にしたこともなかったもんな。


「俺は最初に教えたじゃん。まさか七瀬って苗字じゃないの? 名前?」

「違う。七瀬……夕夏だよ。これで満足?」


彼はやっと立ち止まって、目を合わせてくれた。

「ゆうか……って言うの? 可愛い……じゃなくて、えーっと……綺麗でもなくて」

「フォローしようとすんな。無駄にムカつく」

彼の目力はやばい。睨まれたら思わず視線を外したくなる。それはそうと、まずいぞ。また怒らせたみたいだ。

「ごめんごめん。めっちゃ良い名前だと思う。これからは下の名前で呼ぶよ!」

「やめろ」

「まぁまぁ、照れんなって! 夕夏はこれからどうすんだ? 帰るの?」

「呼ぶなっつってんだろうが。お前の退部届け出したら帰るよ」

夕夏は手に持っていたファイルの中から、何故か俺の名前が綴られた退部届けを取り出した。何でそんな用意が良いんだよ。つうかそれは他人が渡して良いのか。


「でも、いいのかな。不田澤はともかく、歓迎してくれた部活の皆に悪い気がする」

「あ、そう? 掘られたいなら止めないけど。俺はあくまで親切心で動いただけだから」

「掘られたくはない。顧問の先生にも申し訳ないけど、……そうするか」


彼から退部届けを受け取り、ため息をもらす。でもこいつ、そこまで考えてくれてたのか。

一応は俺の為と思って部活を紹介して……だから本当は、こいつが悪いわけじゃないのに。

かといってゲイの部長が悪いわけでもないんだ。

同性が好きとか、それは生まれつき備わったホニャララで、彼を責める理由にはならない。

「恋愛って難しいな……」

思わず、ボソッと呟いてしまった。

「ハナから恋愛なんてするからいけないんだよ」

「そんなこと言ったって、好きになっちゃうのはしょうがないだろ」

彼の辛辣な言葉に思わず言い返す。これは何かの受け売りかもしれないけど、やっぱり信じたい。


「誰かを好きになんのは、絶対に悪いことじゃないよ」




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