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人の恋路を邪魔しちゃいけません。  作者: 七賀ごふん
転校生の窮余

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#6



大体、さっきから彼の重みで足が痺れはじめてる。だから理不尽さに抗議すると、彼はハッとした様子で俺からどいた。少しバツが悪そうに、体についた埃を落としている。

「……ん」

それから、手を差し出してきた。

「おぉ。さんきゅ」

その手を掴み、立ち上がる。今までで一番、彼を近くに感じていた。

不田澤といた時はめっさ重い気分だったのに、今は面白いぐらい軽い。自分の楽天的な性格が怖いぐらいだけど、ここは全部ポジティブに受け止めよう。それによって襲われたトラウマも解消できる気がする。

「あのサッカー部の部長、不田澤はやばいんだ。気に入った部員はすぐに手ぇ出すド変態なんだと」

「そうなんだ。知らなかった」

いや、知りたくなかった。


「お前をサッカー部に連れてったときは、俺も知らなかった。だから礼はいらない。結果的には俺が危険な目に合わせたから」

「お前のせいじゃないし、助けにも来てくれたじゃん。すごい安心したし、来てくれたのがお前で嬉しかったよ。ありがとう」

「だ、だから礼はいらないって言ってんだろ。ほんっとーに頭の中お花畑っつうか……襲われても仕方ない性格してんな」

「それは何? 褒めてんの?」

「褒めてるよ!」

そう吐き捨てて、彼はさっさと歩き出してしまった。

慌てて後を追いかける。


「あのさ、七瀬。これからも一緒にいようぜ。部活で忙しくなって、俺ちょっと分かったんだ。お前がひとりでいるとこ見るの、やっぱり何か……つまんないからさ」


あれ。俺何言ってんだろ。

我ながら意味不明な発想。だと思うけど、こいつをひとりにさせたくないってのは、多分本音だ。

「それに俺はお前の本性知ってるし、気を遣わずに話せるから楽だろ」

「本性って何?」

「優しくて大人しい優等生気取ってんじゃん。実際は暴力推進会長なのに」

言いたい放題だと思うけど、彼の肩を押して笑いかける。


「実はやっぱし独りは寂しいんだろ? 俺には正直に言っていいんだぞ。大丈夫、笑わないから!」

「あー……俺、お前みたいなおせっかい野郎が一番嫌いだわ」


口は悪い。でも言葉の荒さとは対照的に、七瀬の表情は柔らかかった。




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