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人の恋路を邪魔しちゃいけません。  作者: 七賀ごふん
転校生の窮余

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#3



「うわっ!」


焦ったような不田澤の声が聞こえた時、ベルトを掴んでいる手も離れた。彼自身が衝撃を受けて壁に押し付けられたからだ。……さっきまではいなかった人物によって。

「……七瀬」

目の前では七瀬が、不田澤の襟を締め上げていた。

こちらを見向きもしない。抵抗する彼をさらに苦しめるように力を入れているようだった。

よく分かんないけど助かった。

彼が不田澤を押さえてくれたおかげで、ズボンを下ろされずに済んだ。触られた部分はまだ生々しい感覚を残しているけど、とりあえずホッとする。

ゲイが多いのは知っていたけど、こんな強引に迫られるなんて思わなかった。

やっぱり、少し……怖い。胸の辺りに手を当てて、呼吸を整える。


「何だよ、急に出てきやがって。お前には関係ないだろ、七瀬……っ」


智紀の前で、二人はとても公に言えない口論を交わす。その最中も、七瀬は不田澤を強く掴んでいた。

薄ら笑いを浮かべる不田澤に対し、彼は能面のように動かない。

「そんな怒んなよ。須賀があまりにも純粋だからさ、ちょっと色々教えてあげようと思っただけだって。……大体お前だって似たようなもんのくせに、何キレてんだよ。俺らを悪者扱いして、自分は正義の味方気取りか?」

不田澤は嘲るように笑う。しかし、それは一瞬だった。彼は脚を払われ、尻もちをつくような形で床に倒れる。

七瀬はそれでも気が収まらないのか、さらに彼の上に跨ろうとした。


「勘違いすんなよ、不田澤。俺はゲイなんてどうでもいいんだ。ひとりで大人しくしてる分には酷いことなんてしねえよ? でもお前みたいな馬鹿は話が別。その気がない奴に無理やり手出して、自分の欲求満たす為だけに動いてる馬鹿は────本気で死んだ方が良いと思ってる」


徐々に低いトーンで紡がれる言葉。それが途切れた時、彼の両手が不田澤の首元に掛かった。


「おっ、おい!?」


考えるよりも先に駆け出して、七瀬の腕を掴む。彼の腕に相当力が入っていたせいで、引き離すと同時にバランスを崩して倒れてしまった。

結果、二人で床に尻もちをつく。これはこれで酷く滑稽だけど、智紀はすぐに立て直して目の前の彼を見た。




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