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奇跡の更生  作者: 浮舟
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「オレは警察だよ。取引がしたいんだ」

 そう言うと中年の男は、いつも通り沙希のガラスパイプを左の鼻に挿し込み、ターボライターで炙ってみせた。

「取引? 取引って何ですか?」

 沙希は警察というワードが、男の口から飛び出したことに寒気がした。

 室内は薄暗い照明が灯されている。広々とした部屋の中央に置かれたベッドの枕元の壁上には、ムンクの叫びの複製画が掛けられていた。

 ベッドの上で男は、上半身裸となってそこで覚醒剤を楽しんでいる。自分のガラスパイプを、鼻孔から吸われたのを不潔などと言ってはいられない。

 シュゴーーッ。ターボライターの音だけが、ラブホテルの部屋に響く。

「取引ってのはね」

 言いかけると、今度は右の鼻の穴にパイプを挿した。鼻で煙を吸い続ける男。

 シュゴーッ。気化した覚醒剤の白煙が、ガラスパイプの先端をキュルキュルと激しく回転する。

「あの、取引って何ですか? 警察ってウソですよね?」

 たまらず口を挟んだ。

「ウソじゃない。取引ってのは、シャブ中の情報がほしいってことなんだ」

 男は沙希に名刺を渡した。

 警視庁刑事部捜査第四課警部補、山縣礼二

 初めて見る警察官の名刺。こんな警察官が本当にいるのかと思ったが事実いた。信じられないことだが、現に目の前にいる。

 山縣は一月前ほどから、指名客として何度か来ている客だ。山縣の方からシャブネタを出して見せたので、それからは共に隠さずにキメる仲になっていた。

「山縣さんの方から最初、パケ持ってましたよね? 本当に警察なんて信じられない」

「ああ、あれか。警察が押収したネタをくすねたもんだよ」

 けろりと言う山縣。

 ああ、そうだったんですかと言うわけには受けとめがたい返答だった。しかし声の響きはウソなど言ってないように思われる。

 言葉が見つからないままムンクの絵を見る沙希。

「綺麗で可愛い女のポン中にはね、必ずたくさんの男のポン(チュウ)が寄ってくる。必ずね」

「それをね、手当たり次第、全て教えてくれってんじゃないんだ。負担にならない程度にね、たまーに教えてくれればいい」

「私は大丈夫なんですか?」

 動揺しながらも聞いた。協力しなければ逮捕されてしまうのか? これは半ば脅しなのか? 

 山縣を直視することができない。ムンクの絵に視線を向ける目にはうっすらと涙が出てきた。

「もちろん、大丈夫! 君は安心! 安全! オレが保証する」

「オレの弱味、握ってるじゃん。オレの弱みは君も見ての通りさ」

 シュゴーーッ。今度は口に咥えて吸い出した。

 情報提供者は大丈夫という不確かな安心、されどやはり警察に抱く恐怖、二つが心の中でごちゃ混ぜになる。

「わかりました……」

「おっ! いいねー、サービスも忘れないでね」

 そう言うと山縣はズボンをパンツごと脱いだ。


   ◇


 沙希は早退した。店の送迎を断り、タクシーで代々木にある1LDKのマンションに帰宅すると、さっきからの吐き気に大急ぎでトイレへと駆け込んだ。嘔吐は今朝食べたものを全て吐き出してもなお続いた。食べかすも見あたらない胃酸だけの嘔吐が続く。便器の前で伏せてしゃがみこむ。一時間近くトイレにずっとそうしている。

 山縣に尻尾をつかまれたことに加えて、覚醒剤後遺症も重なり、経験したことないほどの苦しい嘔吐。襲いかかる不安はいつもの数倍はあった。

 なんといっても逮捕されるかもしれない不安感が半端じゃない。自分の身の安全の保証など信じがたいものだった。しかし、拒絶は自身の逮捕に繋がりかねない。取引とは言っていたが半ば脅しのようなもの。

 シャブ中の情報をほしい、山縣の言葉を思い出していた。君は安心! 安全! だと。どこが安心で安全なものか。Sと呼ばれる情報提供の世界があるのは、うっすらと沙希も知っている。まさか自分がそれに選ばれるとは思ってもみないことだった。

 シャブ中の情報と言われても、シャブの仕入先は今では滝里になっている。滝里を警察に売るわけにはいかなかった。その他の誰かであっても、情報を提供するということは滝里に迷惑とリスクを多大に与える可能性がある。

 一体、誰を売ればよいのか?

 考えても頭痛に吐き気といった苦しみが増すばかりだったが、沙希は何故か急に二人の男のことを思い出した。

 一人は先日の読めない手紙を寄こしたポン中。

 あの時、沙希は

――ああ、こいつはもう通報しよう―― 

 犯されながら何度も思っていたのだ。

 渡りに船と言えたが、手紙に書かれていた天内誠という名前以外は何も知らない。手紙も気持ち悪くて捨てている。これだけでは情報としては足りないと思えた。

 二人目の男の名前は芝川晃。客として知り合い、意気投合したかに思われたが、結局は沙希が振った男だ。

 認められたかったのだろうか? 強くでも見せたかったのか? 芝川は自宅マンションで銃を自慢気に見せてきた。

 怪しく銀光りする拳銃が恐くなり、帰ると言ったら、芝川は銃を見せたことを後悔してるように見てとれた。誰にも言うな! とだけ言われてさよならをした。

 それきり一度も会っていない。だが何故かこの時、芝川を思い出した。

 沙希のストレスは、ピークに達していた。

 ハルシオン。体調不良の解決策を思い出すと、急いでハルシオンを水で流し込んだ。

 それからベッドに向かって室内を歩く。分厚いマットレスが敷かれた羽毛布団の上に倒れると仰向けになった。

 ほどなくして救いの気絶寝がやってきたが、不安があまりに強くて寝ている間中も筋肉の緊張がずっと続く。眠っているにも関わらず、意識があるかのような不思議な体験をした。どれぐらいそれが続いたのかわからないが、精神の限界の果てに、やがては深すぎる底に沈んでいくような眠りに落ちた。

 このまま二度と起きない可能性もあるほどの眠りの底に。



「あのう、薬じゃなく銃とかでもいいですか」

 沙希は長い眠りから目覚めると、すぐにも山縣に電話をかけて質問をした。

――銃! わおっ! ああ、それならね、情報提供にお金も払うよ。

――警察署まで来て。

「警察署? 行きたくないです」

――大丈夫だから。オレがいるから。安心安全だから。

「本当に大丈夫なんですか?」

――うん、絶対大丈夫! じゃあ警察署で待ち合わせよう。絶対来てね、約束だよ。


   ◇


 渋谷警察署を訪れた沙希は、薄氷を踏む思いでいた。警察署の建物からは、どんよりとした異様な雰囲気が漂っている。何が安心安全なのだろうかと不安になった。

 しかしもう引き返すわけにはいかない。警察署の中に入った。

どこに行けばいいのか、入り口を入ってすぐにいた警察官に山縣を訪ねてきた旨を伝える。

「山縣ですか?」

 尋ねられた若い男の警察官は、誰だかわからないといった顔をしていた。

「警視庁警部補の」

 沙希は名刺にあった階級を思い出し言ってみた。若い男の警察官はすぐにはわからないでいたが、そのうちに思い出した。

「あ! 付いてきてください」

 道案内をかって出た若い警察官の態度からも、山縣が偉いのではないかと感じとれる。山縣の名前を出した途端に、ガラリと空気が変わるようなものがあった。

「階段、割りと急なんで気をつけてください」

 階段を上がって案内された部屋は、コの字型に机が並べられ最奥の大きな机に山縣が座っていた。両脇の机にもズラリ警察官が座っている。その数、八人。

「やあ、よく来たね。沙希ちゃん」

 山縣が座ったまま奥の机から声をかけた。

「こんにちは、山縣さん」

 精一杯、冷静を装いながらニッコリと笑い返した。

「どこ座ろうか。うーん、ここがいいなあ」

「若林、お前ちょっとどいてあげて」

 そう山縣に指差された席は山縣の左隣の席だ。

 どくよう頼まれた若林は、末席の空いてる机の席に向かうため、食べていた天丼を持って立ち上がった。沙希も若林が座っていた席に向かって歩く。

おとなしめの服装をわざとしてきているにも関わらず、警察官たちから粘りつくような視線を感じた。

 若林と沙希は互いの席に向かうためすれ違う。刹那、若林と呼ばれた男は何か驚いたかのような表情を見せた。

 沙希は山縣の隣に座った。若林も末席に座る。

 若林と呼ばれた若い男が気になり、若林の方を見た。席に座ってはいるが、なんだか落ち着かないように見える。

 若林と目が合う。その目は何かを疑っているようでもあり、不安を感じた。

「いやー、丁度、お昼時でみんな飯食ってたんだよ」

 芝居じみたほどフレンドリーな口調の山縣。わかりやすいほどに、大事な客人のように扱っているかのような声のトーン。

「どうしようか。待たせても悪いから始めるか。みんな飯食ってていいからな!」

「はい!」

 警察官たちは山縣に返事した。

「西宮さん、ちょっといいですか?」

 若林が西宮を呼んだ。

 山縣の右隣で、黙々とざるそばをズルズルとすすっていた、西宮の箸が止まった。

「どうした、若林?」

「あの、すみません。ちょっと来てください」

 若林はそう言うと部屋から出ていった。西宮は食事の途中ではあったが、怪訝な表情をして若林の後を追って部屋を出る。

 その様子を見ていた沙希は、胸に得体の知れない不安が増大されていくのがわかる。

 山縣と目が合った。山縣も、若林と西宮の動きに不審を感じとったのか、どことなく表情が強張って見える。


    ◇


 警察署内の狭く長い廊下の空間の端で、西宮は若林容平と話した。

「あの、西宮さん、沙希という女、あれシャブ中ですよ」

「何っ! どこを見て思った?」

「西宮さんだから言います。隠してきたことですが、妹がシャブ中だったんです」

「死んだ妹、そっくりだ」

「だからどこを見てそう思ったんだ!」

 西宮は苛立ちを覚えた。

「うまく言えないけどわかるんです。自分は妹と一緒に暮らしてたことがあるから」

「確信は持てるのか?」

「はい、八十パーセントくらいは」

「はっ! 八十も!」

 西宮は迷った。若林の普段の勤務態度にぶれたところは一つもない。

 自分を相談できる先輩として、死んだ妹がシャブ中だったという重大な秘密まで打ち明けた。そんな若林が言うことを無碍にはできない。

 だが沙希は情報提供者で、言ってみれば客人のようなものだ。まして山縣が呼んだとなれば、別格と言える客だ。証拠もなく失礼があれば、山縣は激怒するに違いない。

 そうは言っても、八十パーセントの確信は高いのか低いのか。間違いなく高いと言える。しかし、沙希のどこをどう見てシャブ中だと感じとったのか、西宮にはまるでわからない。

 だが若林がそこまで言う以上は、このまま沙希を帰すわけにはいかなくなった。

「若林、とにかく戻るぞ」

 西宮と若林は、来た道を早足に引き返した。


   ◇


 部屋の出口から足音が聞こえ、沙希は振り向いた。出て行った二人が部屋に戻ってきた足音だった。

 部屋に戻るなり西宮は、いきなり言いはなってきた。

「沙希ちゃん、痩せてるねー。食べなきゃダメだよ!」

「カツ丼とったげる! ね、食べよ! カツ丼!」

 何を疑われだしたか、沙希はすぐにわかった。西宮の言葉に、沙希は足元の薄氷が割れ、冷たい海へと落ちるのではないかという心地がした。

「いらないです……」

 沙希は食欲はほとんどない。カツ丼なんか重たいものを食べれるわけがない。嘔吐するのは間違いないと思える。

「痩せすぎ! 食べなきゃダメ!」

 執拗に言う西宮。

 カツ丼を一口しか食べられないのを見たら、採尿と言い出すかも知れない。採尿、そうなった時は、冷たい海水の中で死ぬだろうと思った。

 助けを求めようと山縣を見る。山縣は憤怒の表情に変わっていた。周りで聞いていた警察官も、固唾を呑んで様子を見守っている。

「座れ! 若林!」

 山縣は西宮ではなく、若林の方に向かって言った。若林に向かって強い怒りを抱いてるのが声からもわかる。

「ですが山縣さん!」

 若林は抗おうとした。

「飯が冷める! 座れ! 西宮もだ。ダイエット中の女性がカツ丼なんか食えるわけないだろ」

 これ以上楯突くのはできないとしたのか、若林はようやく席に座った。それを見て西宮もカツ丼の話はしなくなり、飯の続きに席に戻った。

さっきまでのことはなかったかのように、西宮のざるそばをすする音が響いた。わざとやってるのかというぐらいにズズズっと下品に聞こえる。その音が沙希への疑惑の追及の終わりを意味するかのよう。

「悪いね、沙希ちゃん。オレの質問に答えるだけでいいから」

「それでその、そいつの家で銃を見たんだ? いつの話かな?」

「一年くらい前です」

「一年前か。少し古いな」

 山縣はそう言うと上を向いた。考えごとをしているようだ。

「じゃあ、名前とか住所とか電話番号とかわかる範囲で教えて」

「はい」

 山縣の質問はすぐに終わった。情報が古く、検挙に繋がる情報かどうかはわからないという話だった。

「悪いけど、オレはここをまだ離れられないから、この紙を下の階にある会計に出して帰ってね。お金もらえるから」

 ここをまだ離れられない? とはどういう意味なんだろうと考えたが山縣の言う通りにする方が安全だと感じる。

「ありがとね、来てくれて」

 山縣はさよならをした。

 会計で、山縣から受け取った紙を金に引き換えると急いで財布にしまう。沙希は、金はどうでもよかった。

 もう絶対にここへはこない。何よりも早くこの場から逃げ出したかった。


   ◇ 

 

 あれから山縣は、何度か客として来た。

 芝川は、やはり銃をひけらかしたことを反省し、自宅に所持するのはやめていたらしい。検挙に繋がらなかったことを沙希はそれとなく聞いた。だが芝川という危険人物をマークできたことは、成果の種なのは間違いないと山縣は言う。

 しばらくは情報の催促などされることもなく過ぎた。沙希のガラスパイプを鼻から吸っては、やることやって帰るだけ。パイプの吸い口に鼻糞がつくかも知れないという気遣いはない。

 警察署に行っても無事でいられた稀有な経験は、沙希にとって心の余裕となることはまるでなかった。覚醒剤をやめない限りは、いつかは自分の逮捕の番がまわってくる不安感はどうしようもない。覚醒剤後遺症の不安感も重なり、メンタルが限界に来ていた。


   ◇


 十月の薄寒いその日、沙希は自ら出勤したくなるほどに疼いた。覚醒によるものだった。いい男にあたりたいと欲情して出勤したはいいが、いきなりハズレを引く。

 最初についた客は、六十代くらいの卑しい雰囲気がする小男だった。

 山縣と会う時に使う同じ部屋。壁に掛けてあるムンクの叫びがグニャリとする。

 これも仕事だと割りきると、沙希は服を脱いだ。客の男も服を脱ぐと、前腕に静脈注射の痕跡がハッキリと見て取れた。両手共にパッと見ただけで六ヶ所以上。その痕跡は、さっき乱射したとわかるほどに、二センチにはなろうかというほどの紫色をした痣になっている。針を刺した状態で、何度も血の出し入れを繰り返し楽しんだのであろう。たくさんの紫の痣は鉄板のポン中で間違いなかった。

 ジュリ (沙希)にポン中だと隠す気はまるでない。それどころか、緑色をしたショルダーバッグから注射器を取り出してきた。

「五万追加で払うからキメセクしようよ」

 その客はキメセクしようと何度となく言ってきた。既に炙りでキマッていたのでキメセクなのだが、その客はどうしても注射をしたがった。注射器を出してきたのも、ジュリ (沙希)をポン中と見抜いてのことだとは思ったが大胆と言える。

 沙希は、注射によるシャブだけは、やらないと決めていた。副作用や後遺症を恐れるのもある。何より自分の手で自分に注射を打とうとするのが恐いのと、医療従事者でない者に打たれるのも、どちらも恐かった。

「やりません」

 断りながらもなんとか作り笑いをして見せた。

 貧相で卑しく見える男は、断ってるにも関わらず注射器の袋を開けると、シャブ装填の準備に忙しい。財布の中から、覚醒剤を取り出す男。

「パチンコでも勝ったんですか? 追加で五万って」

 さりげなく話を反らして時間潰しに聞いてみた。

「え? そう見える? 違うよ。現代における錬金術を知ったのさ」

「何ですか、それ?」

 作り笑いを崩さないで聞いてみる。このまま話術で時間を引っ張ることにした。

「いや言えないよ」

「えー。錬金術なんて言われたら気になりますよー」

「でも言えない」

「じゃあもう聞きませんよ」

「絶対、誰にも言わない? 約束できる?」

「言わないです」

「じゃあ、教えてあげる」

 結局は話したかったのかと言うほどに丁寧な説明を聞いた。


 それは日本の法律では僧籍の名前は、家庭裁判所の認定を受けて公的に名乗れると言ったものを悪用したものだった。必ずしも名前の変更が認められるわけではなかったが、僧籍の名前変更は正当事由になる。悪徳ビジネスの一つとして、邪宗により売られてる以上、認められないポイントは出家を偽ることでカバーされている。

 客の名前は竹原善雄と言った。竹原は、善雄ではなく竹原政則だった時に借金まみれとなりサラ金はおろかクレジットカード一枚持てない状態だった。

竹原政則と言う名前では借り入れのブラック履歴はあるが、改名した竹原善雄と言う名前では借り入れデータは当然一切ない。だから新たにサラ金から借りることができるのだと言う。


「ぜゆうだと気まずい場面では、よしおとも呼べるから気にいってんだ。よしお、なら普通だろ」

「ちゃんとこっちのこと、考えて名付けてくれるのさ。そこがスゴいよね。だからまた金借りれるんだ」

 善雄は、話が終わるとまた例の押し問答に戻った。

「五万あげるからキメセクしようよ?」

「お願いだからキメセクしようよ?」

 どんだけクズなんだ。聞いていて気持ち悪くなってきた。

 こいつなら警察に売ってもいい。そう思えてきた。そろそろ情報提供しないと自分の身が心配になっていたところだった。

「注射はしないから!」

 怒って言うと僧侶はしゅんとした。

 さっさと早く終わらせようと口撃を開始する。口中に大量の射精をされると、善雄の前でティッシュに向かって、唾と共に

『ボエッ!』と言って精子を吐き出した。

 もう用はない。善雄と急いでさよならすると沙希は携帯電話を手に取った。


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