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〈01〉最高学年・武技大会

「クラリス嬢! ついにこの武技大会で俺は優勝しました!! 

どうか、俺の想いを受け取って結婚してください!」

「ブリス・ド・カルタンよ、よくぞ戦った! 余はそちの戦いぶりをしかと見届けたぞ。

優勝の褒美としてそこな女性と結婚したいとのこと、喜んで祝福しよう!」



武闘場の熱気は最高潮に達していました。

今までブリス様と決勝戦を戦っていたお相手も、負けた悔しさなどどこかに行ったのか興奮気味に彼の肩を何度もたたいています。

観覧席を陣取っていた多数の騎士は好き好きに叫び、手拍子をし、足を鳴らしています。


私の周辺にいたクラスメイトはきゃあきゃあと叫んで、隣にいたオレリーは

「良かったわ! ブリス様が勝つとは思っていたけれど、本当に!

クラリス、陛下まであなたとブリス様を祝福してくださるって、なんて素晴らしいの!」

と、涙ぐんで私の手を握ってきます。


……あぁ、なんてことかしら。

オレリーに握られていても指先が冷えていくのを感じます。

なぜ、私は望んでもいない相手に結婚を申し込まれ、あまつさえこの国を治めている国王陛下から祝福さえされているのでしょうか。


作品を読んでくださりありがとうございます。

ドアマットヒロインというほど悲惨ではないけれど、苦しい状況にあるヒロインが望む人との恋を貫いて、最終的にハッピーエンドを目指しています。


一日一話の更新予定です。

お気に召しましたらブックマークやコメント・反応いただけるととても嬉しいです。

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