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桐箱の布団に客をむかえるはなし  作者: ぽすしち
 六

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30/32

おれと変わらぬ


 あの箱の中には小さな煙草盆まであり、チョウジュロウは、古いが立派なつくりの座布団にのっていた。

 恥ずかしいというので、あの小さな煙管をどうやって吸っているのかはのぞけなかったが、羅宇をもつ柔らかそうな手のようなものは見えたし、布団にもぐりこむのを、はいずりはじめた赤ん坊をみるように、じっと見守ってしまった。




  『 なんでエ、おめえ、あのタニシがそんなにかわいかったのか? 』


 

 チョウジュロウから、世話になった礼だとしてもらった赤い玉をながめていたら、よこから黒猫の手が玉にのび、さわられる前にヒコイチは、玉を懐にしまう。


 ダイキチがいうには『サンゴ』という海でとれる貴重なもので、唐渡からわたりのかんざしなどには、これの細工物がついているらしい。


「まあ、ちいせエのにうまいこと動くもんだから、かわいいかときかれりゃ、かわいいだろうよ。『先生』だって言ってたろう?」


 布団に寝ころがると、このごろこの玉をとりだして、ついつい、こんどのことを思い返してしまうのだ。

 するとたいてい、この黒猫がどこかでみていたように、するりと入ってくる。



『 《 毎度、こちらが骨おるような始末でございまして 》ってやつか。でもよお、ありゃあ、見た目がちいせエってだけで、タニシのなかみはただのジジイだろ 』 

 おれとかわりねえじゃねえか、という乾物屋は、ダイキチのお屋敷でも遠くからタニシをみただけで、近寄ってはこなかった。




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