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箱に布団


 元締めは、すこしわらい、ヒコさんが心当たりがあるならいいんだ、と腕を組んで首をまげた。

「 ―― だがよ、あの人のよさそうなご隠居さんが、なにかたくらんだ女に目をつけられたんじゃねえかと、心配になっちまってな。こんなことをお願いできるのは、元締めさんしかいなくて、なんていいさなる。まあ、赤ん坊にそんな布団用意するなんて、そのへんで頼んだらあっというまに噂が流れるから、おれなんかのとこへ来たのだろうがな、まあ、赤ん坊は泣くし、お屋敷の外へだって聞こえるだろうから、いやでもそういうはなしはひろがっちなうだろうがな。 だがまあ、お相手だってかたを、ヒコさんが知ってるっていうならいいやなあ」


 元締めはそのあたりの里の人たちには『ホテエさん』とよばれる丸いからだをゆすってわらうような息をもらし、将棋盤をさして、打つ手がみつかったかい?ときいた。


 もちろんそんなものとっくにないとわかっていたヒコイチは、さっさと負けをみとめて盤をわきにどけると、それで?と膝をつめた。


「いつ、赤ん坊がうまれるんだよ」


「おれが知るわけないだろう。だが、ヒコさんもしらねえとなると・・・、こりゃどうもよけいなことを言っちまったかもなあ。どこかでもう養子にとろうってはなしになってるのかもしれねえ」


「まさか。だってヤオ・・・ヤオヤで売ってる野菜じゃねえんだから、そんなすぐに渡さねえだろ」


「いや、わからねえよ。なにしろ布団を、桐箱におさまるようにあつらえてほしいってことだしな。そこに入れて、『この赤子でございます』なんて、渡すのかもしれねえだろ」



「『きりばこ』に・・・・?」



   どうして布団をおさめる?

 




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