表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桐箱の布団に客をむかえるはなし  作者: ぽすしち
 五

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/32

釣り竿(ざお)か

 せまってきた化け物のくちから、赤い大蛇のような舌がヒコイチをねらいのびた。


 うねったそれが肩にかかろうというときに、横から赤い《釣り竿つりざお》のようなものがのび、風を切って振られると、竿が当たった化け物の首が、空にむかってとばされた。



 っぎゃん



 獣の鳴き声がして大入道の姿は消え、ひっくりかえった大きな獣の姿があった。



「 さても、大狸が歳を経て、ムジナなるアヤカシになるとは伝えきいてはいたが、人までとらえて喰うておるとはなア 」


その男の声はヒコイチの足元からきこえてきた。


 みおろせば、あの白いかわったかたちの貝があり、その波打ったふちが合わさる貝の『くち』から、こえが出たようにきこえた。


 あわててヒコイチは膝をつき、その貝をのぞきこむ。


「いや、あのタニシのご隠居さんは、どこに行っちまった?あんた、誰だい?」


 すると、貝の隙間から、耳に心地よいわらいごえがもれ、「『タニシのご隠居』どのは、ここにおわすぞ」とまたすこし貝がひらいた。その隙間から、さきほど化け物をたたき飛ばした《釣り竿》の先がでて、ヒコイチの腕や肩をさぐりあてると、もう一本同じ竿がとびでてきてこちらの頭のさきをたしかめるように数度たたいた。



  釣り竿じゃねえ・・・



 それは釣り竿ほどの太さだが、竹でもなく木を継いでながくなっているわけでもなさそうで、先の細いほうがしなやかに曲がってヒコイチの血がでている足までさぐった。

 目の前でうごくそれをよくみれば濃い緋色のそれには、フジツボのような貝のような、白くかたそうなあつまりがついている。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ